PGA倉本会長インタビュー

日本ゴルフ界をリードし支える組織として、
率先躬行し数多くの画期的施策に挑戦!

就任6年目を迎えたPGAの倉本昌弘会長。これまで、日本のゴルフ界を活性化させるべくさまざまな課題解消に挑んできたが、まだ改革の途中と、その革新的な姿勢を崩すことはない。
PGAへの女性会員の受け入れやジュニアリーグの立ち上げなど、ゴルフ人口のさらなる拡大を目指し、画期的な施策を見据える。
会長としての総仕上げと、次へのバトンを繋ぐため「今年も精一杯走り続ける」と力強く答えてくれた。

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─ 2019年のシニアツアーは18試合となりました。選手に求めることは

試合数は落ち着いてきましたね。トーナメントは三位一体です。三位というのは選手、スポンサー、そしてギャラリー。その3つが全てWINにならないとダメです。そのために選手は、トーナメントごとに自分たちに何が求められているかを理解しなければなりません。

─ 近い将来、女性のPGAティーチングプロが誕生する可能性があります。その効果をどのようにお考えですか

アメリカでは、米PGAの会長は女性だし、2万8000名の会員の内1500名が女性です。日本ではこれまで、教わる側が女性コーチを希望しても男性しかいないと断っていたわけで、お客様が望んでいるものに全く対応できていなかったと思います。それがようやく実現できるかも知れません。そもそも今のLPGAは我々PGAの女子部が独立したもので、我々の定款には男女の別はないのです。

─ 今後、LPGAとの連携も重要度を増してきそうですね

今年からLPGAの会員でなければQTを受けられなくなり、女子プロゴルファーになることがさらに狭き門となります。ある程度の年齢になるとゴルフを続けられなくなり、ツアープレーヤーになれなかった人たちの受け皿が必要です。そこで、ツアープレーヤーはLPGAに任せ、PGAはティーチングプレーヤーの受け皿になれるのではないかと考えているのです。LPGAといかに共存できるかを話し合っていかないといけないと思っています。

─ 他の協会や団体などとの取り組みは

JGAが行っているジュニアやトップジュニア育成のお手伝いをしたり、JGAの持つ組織を使って新しいゴルファーの創出やゴルファーのリタイヤ防止に力を入れる取り組みなどをしています。同時にスポーツ庁や厚生労働省などに対して、ゴルフをすることで医療費の削減を目指すなど、健康とゴルフについて提案していくことを考えています。その一つの足掛かりとして、昨年の2月に第一生命と社会貢献の包括連携協定を締結し、新しい事業も始めています。我々は日本のゴルフ界を底辺から支える組織だと自負しています。トーナメントに出場するトッププレーヤーと、それを支える多くのアマチュアゴルファーの循環を、もっとよくしていきたいと考えています。

─ 新しくPGAジュニアリーグが始まります。どのようなリーグですか

13歳以下の8〜14名が1チームとなり、ユニフォームを着て背番号を付けて2人1組でスクランブル競技を行います。スクランブル競技なので、上手い子と初心者の子が混合でできます。団体戦というのも、子ども同士が助け合う力をつけることが狙いです。今年は千葉県と兵庫県を強化重点地区としてチームを作ってもらいますが、今後は全国大会も行いたいですし、シニアリーグも開催できればと思っています。

─ 東京オリンピックも目前に迫っています

いよいよ来年ですね。先日、ゴルフのチケット代が予選7000円、決勝1万円と発表されましたが、これは予想外でした。他のスポーツと比べても安すぎる。私はもっと高く設定して、入場者数を制限するのかなと思っていました。我々もメダルをとるためにいろいろとやっていきたいですが、出場選手が決まるのは大会直前になりそうで、丸山茂樹コーチや私も、何ができるかを模索しています。

─ 就任から6年目に入ります。あらたなる思いや抱負をお願いします

任期は来年の3月末までなので、まずは、そこまでは突っ走りたいと思っています。そして、いずれ誰か次の人に繋ぐわけですが、同じ思いを持った人に繋ぎたいと思います。また、そういう人を育てていくのが、私の使命だと思っています。私がいいことをやったという評価よりも、しっかりと次に繋ぐことのほうがはるかに大事。今年はそこもしっかりとやっていきたいと思っています。