GTPA観戦記「ZOZOチャンピオンシップ」

事務局Report

何もかもがビッグスケールだった、日本初上陸
PGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」

10月24日(木)~28日(月)アコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブで開催された。大会レポートをお届けする。

開催前から注目の的

賞金総額約11億円(優勝賞金約2億円)にも驚きだが、観戦チケットも国内のゴルフ入場券として、もっとも高額だったにもかかわらず、早くにすべての券種が完売した。

チケットの種類

価格(円)

VIPラウンジ付チケット4日間通し券(駐車券付)

600,000

フロントローチケット4日間通し券(駐車券付)

68,000

4Dayチケット(練習日チケット付もあり)

40,000〜

1Dayチケット(駐車券あり・なし)

12,000〜

練習日チケット

6,000

タイガー・ウッズをはじめ、14名のメジャーチャンピオンを含む、世界のトップランカーが参戦し、その雄姿を一目観ようと、多くのゴルフファンが観戦チケットを買い求めたのだ。1日2万人が来場する計算だ。前売券が完売したために、当日券は販売されなかった。

記録的豪雨とツアー運営

大会2日目、豪雨による中止が発表された。会場の習志野カントリーも多くのホールが浸水し、バンカーは水たまりと化した。コースの復旧は、雨が上がった土曜の未明から行われ、近くのゴルフ場からの応援も含め、スタッフ総出の作業で奇跡の回復を遂げたが、ギャラリーの安全を第一に考慮し、土曜日は無観客試合となった。また、4日目にあたる日曜までに、72ホールを消化できず、月曜に持ち越しとなった。日本ツアーとの運用の違いを体験できた。

テーマパークのような人混み

まず、セキュリティゲートで手荷物チェックを受けてからの入場となる。カメラ、PCなどの持ち込みは禁止である。ホスピタリティテントをはじめとする建築物は、アメリカから輸送されたPGA仕様。支柱も太く、頑丈で、多くの人が滞留しても安全な構造である。施設も複数箇所に設置し、分散化が計られている。ただ、フードコーナーや、トイレは、入場者数の多さからやはり長蛇の列となる様子が見て取れた。

VIPラウンジ………5ヶ所
ギャラリーパーク………3ヶ所
避難小屋………16ヶ所
ホスピタリティテントもPGA仕様

ホスピタリティテントもPGA仕様

キッズファーストがファンを生む

松山選手が出迎えるキッズ観戦エリア

松山選手が出迎えるキッズ観戦エリア

2万人がごった返す中、子どもたちも多く来場。130センチ以下の子どもだけが入れるキッズ観戦エリアを用意。出場選手の等身大パネルが目安の看板となり、誘導。1番のティーイングエリア、練習グリーン横をはじめ、主要な観戦ポジションにあり、子どもたちは目の前で世界のパワーを体感していた。この体験が、子どもたちとゴルフが仲良しになるきっかけとなるのだろう。

さらなるベネフィットを目指して

日本でもたびたび問題になる写真・動画撮影だが、携帯のシャッター音がならないアメリカでは自由に撮影が可能だ。今大会では、日米の携帯機能を鑑み、可能エリアを設定し対応。しかし、誰もが初めての大会で、ボランティアからの注意があるも、どこでも撮影をしてしまうギャラリーが散見された。突然になる音は、選手のプレーに相当の悪影響を及ぼす。選手、ギャラリー双方がお互いに気持ちよく、そして、ギャラリー同士、不公平がないような観戦の仕組みをさらに検討していく必要があるように感じられた。

写真撮影可能エリア………6ヶ所
動画撮影可能エリア………9ヶ所

アクシデントを乗り越え、来年へ

大会は、タイガー・ウッズ選手が、アメリカ史上最多に並ぶ82勝目を飾る優勝で幕を閉じた。母国開催での優勝を目指し、追走した松山英樹選手は惜しくも2位でフィニッシュ。ギャラリーから惜しみない拍手が送られた。来年以降も、この熱狂が経験できることは、日本のゴルフ界にとっても、大きなチャンスだろう。

観戦記念のお土産も飛ぶように売れていた

観戦記念のお土産も飛ぶように売れていた


ポップコーンの容器からも観戦の楽しさが伝わる

ポップコーンの容器からも観戦の楽しさが伝わる

GTPA事務局観戦記

習志野カントリークラブの1番ホール。ティーショットを打った選手は、ティーイングエリアから続く、緑のカーペットを颯爽と進んでいく。全ての選手に熱烈な声援が掛かる。その中を胸を張って歩く選手。子どもたちとハイタッチをする選手。観戦するギャラリーも、老若男女問わず。選手が打つたび、「やべーっ!」を連呼する若者たち。コースの至る所で大歓声。その大歓声が普段、感じたことのない熱気に変わる。熱気がコース全体を包む。全てが異次元で初体験の1日でした。