トーナメントライブラリー男子 2015-11
フジサンケイクラシック
9月3日〜6日 富士桜カントリー倶楽部
進化を続けるコースと 18ホール完全生中継
舞台を富士桜カントリー倶楽部に移して11回目の大会だが、「世界に通用するコースで、世界に通用するプレイヤーを育てる」を大会コンセプトに掲げるフジサンケイクラシックは今年もまた進化を続けている。 毎年のようにコース改造に手を加えるコースは、今年は18番グリーン右手前のガードバンカーの形状を大きく変え、人間の背丈より深くした。昨年は史上初めて18ホール完全生中継にトライしたが、今年は55台のカメラを駆使して、地上波・BS・CSの3波連動による決勝ラウンド18ホール全てを完全生中継し、さらに新たに16番ホールでは4日間全選手のプレーをインターネット配信した。 会場では今年も多くのボランティアが参加し、ギャラリープラザでも地元の名物グルメや地ビールのコーナー、山梨県体育協会スポーツ振興基金や富士河口湖町青少年スポーツ振興基金に寄付されるチャリティ抽選会や大会オリジナルグッズ販売のブースなどが賑わいをみせ、ギャラリーはトーナメントをじっくりと楽しんでいた。 大会は、最終日に4打差をつけてスタートした金庚泰選手が、不振のショットにもがき苦しみ、スコアを落としながらも1打差で逃げ切った。これで今季ツアー3勝目、昨シーズン賞金ランク35位に落ち込んだ金選手の口から、「今この位置なら、賞金王を獲りたい!」と2度目の賞金王獲得宣言が力強く飛び出した。

ギャラリープラザでも4日間完全生中継を楽しめた
ANAオープン
9月17日~20日 札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース
本大会初のホスト優勝
昨年好評だった、打撃練習場横のギャラリープラザにご当地グルメを集めたグルメフェスが今年も開催された。福岡、愛知、静岡、宮城、青森の名物、そしてゴルフ場名物「輪厚ラーメン」や、帯広名物の豚丼と北海道プリンが用意されており、選手たちの練習を見ながら食も楽しむことが出来た。
今大会では、16番ホールにANAの飛行機の大型看板が設置されており、大空に羽ばたく飛行機の前で選手達はティーショット。まさにANAオープンというコース内だった。
おなじみのポケモンコーナーでは最新映画の短編上映会やポケモンキャラクターとの撮影会もあり、子供から大人まで楽しめる大会づくりとなっていた。
そしてANAオープンの名物といえば
「はじめての観戦ガイドツアー」。トーナメント観戦初心者向けにプロの解説者が丁寧に楽しくトーナメントのみどころや観戦を指南してくれるガイドツアーだ。日頃、なかなか聞くことが出来ないトーナメントの裏話やプロの話題など、参加者は熱心に聞き入っていた。
競技はホストプロ石川遼選手と小田孔明選手の2人の歴代賞金王にディフェンディングチャンピオンの宮本勝昌選手を加えた豪華な優勝争いが実現。激しい優勝争いを、バックナインでスコアを伸ばした石川選手が制しANAオープンで初めてホスト優勝を飾った。今季、ツアー初出場での優勝という快挙を、自身24歳のバースデーウィークに成し遂げた。

バースデーウィークにホスト優勝を飾った石川遼選手
アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ
9月24日~27日 大利根カントリークラブ 西コース
大雨災害にあった茨城県へ義捐金を
アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ ダイヤモンドカップゴルフでは、選手会と協力してチャリティサイン会、チャリティフォト、選手から提供されたグッズ、サイン入り大会キャップなどのチャリティ販売などにより集まったチャリティ金を茨城県に贈った。
また、米ツアー参戦中の松山英樹選手より、大会3日目に大雨災害へのチャリティバザー用として松山選手のサイン入りグッズが大会事務局に届いた。松山選手は、2013年大会で優勝しており、今回の災害の知らせを聞いて協力の申し出があった。届いたのは、松山選手のサインが入った米ツアー最終戦のツアー選手権オリジナルキャップと、シューズケースだった。この提供品は、翌日にチャリティバザーに出品された。
このほか、会場内にはアルパカへのエサやり体験ができるアルパカふれあい広場があり、ギャラリーを喜ばせた。

こどもたちにも人気だったアルパカ
トップ杯東海クラシック
10月1日~4日 三好カントリー倶楽部 西コース
プレーオフを制し、逆転優勝
今年も三好カントリークラブ西コースで「トップ杯東海クラシック」が開催された。初日こそ雨だったものの、残り3日間は快晴の中、2万人を超えるギャラリーが来場した。3年振りに本大会に出場した石川遼選手の活躍や、様々なギャラリーイベントで会場内は賑わった。
ギャラリープラザでは、ペアリングについている抽選券でゴルフグッズ等が当たる「ギャラリー抽選会」や、天むすやきしめんなどの地元グルメの販売を行った。
また、チャリティ活動として、大会3日目に出場プロとのチャリティフォトを実施。ギャラリーの方は、お目当ての選手と写真を撮り、交流を楽しんでいた。
競技は、最終日6位タイからスタートした金亨成選手が通算12アンダーで並んだ片山晋呉選手とのプレーオフを制し、今季初優勝、ツアー通算4勝目をあげた。昨年の中日クラウンズに続くツアー優勝で、自身が大好きな名古屋での連勝となった。
なお、通算2オーバーの36位タイでホールアウトした日本大学1年の今野大喜選手がベストアマを獲得し、今後の活躍が期待される。

地元グルメが並ぶギャラリープラザが大会の盛り上げに一役買った
HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF
10月8日~11日 石岡ゴルフ倶楽部
新規ツアー初代チャンピオンは李京勲選手
JGTOツアーに新たな1試合が加わった。本間ゴルフとアコーディア・ゴルフがタッグを組み、生まれた本大会。2006年にアコムインターナショナルが開催されて以来の茨城県の石岡ゴルフ倶楽部で開催された。
本間ゴルフとアコーディア・ゴルフの2社が主催ということもあり、会場内ではギャラリーが楽しめるゴルフイベントが数多く用意された。
HONMAブースの「HONMA SHOP」でショッピングを楽しむ方、HONMAツアープロフィッティング体験をする方、アコーディア・ゴルフとハローキティのコラボでキティちゃんと一緒に写真を撮ったりロングパットを楽しんだりと、ギャラリープラザの様々なイベントで、競技以外でも盛り上がりを見せていた。
競技は、最終日、一時は首位に5人以上並ぶという稀に見る大混戦だったが、終盤の16番、17番と2連続バーディーで突き放した李京勲選手がツアー2勝目を飾った。

大勢のギャラリーで賑わったHONMAブース
日本オープンゴルフ選手権競技
10月15日~18日 六甲国際ゴルフ倶楽部 東コース
大会史上最多アンダーパー記録を更新しメジャー2勝目
第80回の節目を迎えた本大会。兵庫県の六甲国際ゴルフ倶楽部を舞台に、“ゴルファー日本一”の称号をめぐる熱き4日間の戦いが繰り広げられた。
試合を制したのは、2日目に大会史上最多アンダーパーの11バーディー、1ボギーの10アンダー、62をマークした小平智選手。最終日、大会連覇を狙う池田勇太選手との壮絶なデッドヒートを制し、2013年日本ゴルフツアー選手権Shishido Hillsに続く公式戦2勝目を挙げた。
その小平選手と初日から3日目まで同じ組で競技し、プロ顔負けのプレーで世間にその名を知らしめたのはアマチュアの高校2年生、金谷拓実選手。今年度の日本アマチャンピオンの肩書きに恥じない堂々たるプレーで、並み居るトッププロの中で一時は単独首位に立つほどの実力を見せつけた。最終的に通算3アンダー、11位に入り、大会史上最年少記録となる17歳148日でローアマチュアの座に輝いた。
また、昨年に引き続き来日参戦したアダム・スコット選手は、今年も連日大ギャラリー団を形成していた。そのワールドクラスの飛距離をアドバンテージに通算5アンダーの7位タイでフィニッシュ。プレー後には、昨年同様賞金の全額(520万円)を寄付することを表明した。

偉大な記録とともに第80回チャンピオンとしてその名を残した小平選手
ブリヂストンオープン
10月22日~25日 袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース
新設された「ブリヂストンパーク」が人気を博した
今年も『ブリヂストンオープンゴルフトーナメント』が千葉県の袖ヶ浦カンツリー倶楽部袖ヶ浦コースで開催された。
ブリヂストンが主催ということもあり、会場内の物販コーナーではブリヂストンスポーツのクラブやウェア等たくさんの品物が取り揃えられていた。
また、今年から新たに新設された「ブリヂストンパーク」には、ブリヂストングループの商品展示や、ブリヂストンの自転車の試乗会、免震ゴム体験ができる他、こども広場やミニシアターなども用意されており、大人から子供まで家族で楽しめる大会づくりとなっていた。
競技の方は、最終日に強風吹き荒れる難しいコンディションの中、4打差の7位からスタートした松村道央選手が、16番ホールでのチップインイーグルで首位の座をとらえ、逆転で今季初優勝、ツアー通算5勝目を飾り、2016年の『WGCブリヂストンインビテーショナル』の出場権をも手に入れた。

グループ会社が集結したブリヂストンパーク
マイナビABCチャンピオンシップ
10月29日~11月1日 ABCゴルフ倶楽部
過去には松山英樹選手も出場したジュニアプロジェクト
「マイナビABCチャンピオンシップ」では、テレビ朝日系列のKBC九州朝日放送とともに、ジュニアゴルファーの育成と底辺拡大を図る共同プロジェクトとして全国高等学校ゴルフ選手権、日本ジュニアゴルフ選手権競技、日本ジュニアゴルフ協会の主催する指定の大会で上位入賞した選手に対し、各社が主催するトーナメントの本戦出場権を与えている。
今年は、①全国高等学校ゴルフ選手権大会夏季大会〈高校男子個人の部〉優勝の関 将太さん、②日本ジュニアゴルフ選手権競技で優勝の篠優希さん、③サマーゴルフジュニアクラシック〈12-18歳男子の部〉優勝の小斉平優和さんの3人が出場権を獲得して、本戦に挑んだ。大会週の月曜日には3人揃って練習ラウンドに出て高速グリーンで有名なABCゴルフ倶楽部対策を練ったが、残念ながら結果は予選落ちに終わった。とはいえ3人ともまだ高校生である。今回の挑戦はきっと良い経験になったことだろう。このジュニアプロジェクトからは、松山英樹選手、藤本佳則選手、薗田峻輔選手など多数のプロが誕生している。3人の今後の活躍に期待したい。

写真左から関将太さん、篠優希さん、小斉平優和さん
HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP
11月5日~8日 総武カントリークラブ 総武コース
2年ぶりにツアー11勝目を飾ったのは 谷原秀人選手
総武カントリークラブ総武コースで行われた『HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP』では、娯楽産業ならではのユニークなイベントでギャラリーを誘引していた。
大会期間中、ギャラリープラザの一角には「平和・PGMブース」が設置されており、来場したギャラリーの方々に向け、お楽しみ抽選会を開催していた。
「クジを引くだけ」の抽選ではなく、平和ならではの「パチンコの遊技台」を用意し、その演出が【当たり】なら大会オリジナルレジャーシート、【はずれ】でも大会オリジナルのウェットティッシュが貰え、多くのギャラリーの方々が連日行列を作っていた。中には何度も並び直して参加するギャラリーの方々も見受けられ、他にも大きなギャラリープラザ内には、PGMプロショップや多くの飲食店などが立ち並び、ギャラリーの方々の満足度も高かったことだろう。
地域貢献活動も行われており、木曜日と金曜日に地元の小学校の生徒たちに向けて社会科見学が行われた。放送センターやメディアセンターを見た子供たちは興味津々の様子で、天候も良く皆楽しそうに話を聞いたりメモを取るなどしていた。
競技は、最終日に2打差の首位で出た谷原秀人選手が、後輩の藤本佳則選手を振り切り、通算11アンダーで2年ぶり、ツアー11勝目を飾った。この1勝で谷原選手は賞金ランキングを25位から3位まで一気にランクアップ。残り4戦で3勝を目標に、ランキング1位独走中の金庚泰選手を脅かすか。
なお、ホストプロの宮里優作選手は、最終日まで健闘するも11位タイの成績で大会を終えた。

パチンコ遊戯台を使ったお楽しみ抽選会