トーナメントライブラリー男子 2015-7
中日クラウンズ
4月30日〜5月3日 名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース
国内最古のトーナメントへ2年ぶりにAONそろい踏み!
1960年(昭和35年)に始まり、現存する民間トーナメントとして、国内最古の歴史を誇る中日クラウンズ。今年で第56回を数え、これまでに数々の熱戦の歴史を繰り広げている。
好天に恵まれた今年の大会は、まずは火曜日にチャンピオンズマッチで開幕。これは昨年55回大会開催を記念して、これまでの歴代チャンピオンが出場する夢のマッチ。
予選ステージを勝ち進んだ3選手が決勝ステージで青木功選手に挑戦するというマッチで、ギャラリーもおおいに楽しんでいた。
予選ラウンドは李京勲選手を日本人選手が追いかける展開に。決勝に入ると入れ替わって首位にたったのはI・J・ジャン選手と片山晋呉選手。そのあとを地元の近藤共弘選手、山下和宏選手が追う展開に。
多くのギャラリーが詰めかける最終日、混戦を抜け出し見事栄冠を勝ち取ったのはジャン選手。2012年に続く本大会2勝目、ツアー通算3勝目を飾った。開幕戦に続き2位となった山下選手は悔しさが残る結果に。
ジャン選手は前週のジャパンゴルフツアー選手会の震災復興支援活動で訪れた福島県のこども達との約束を見事かなえる結果に本人もほっとした様子。
開催地の名古屋が好きというジャン選手は、週に何度も名古屋名物「ひつまぶし」を食べて今週の大会に臨むなど、すっかり名古屋びいきに。そしてこの優勝でますます名古屋が大好きになったとご満悦だった。最終日も多くのギャラリーが来場し、ツアープレーヤーの熱戦に魅了され、本大会は盛況のうちに終了した。

過去55回の大会の歴史を感じるチャンピオンボード
日本プロゴルフ選手権大会日清カップヌードル杯
5月14日~17日 太平洋クラブ 江南コース
オーストラリア人優勝、左打ち選手優勝は共に大会史上初
今年の開催コースは、埼玉の太平洋クラブ江南コース。
大きなギャラリープラザ内ではグッズ販売やイベントが充実していた。PGAブランド、セレクトザクラブ、ゴルフパートナー、ダンロップ、二木ゴルフのゴルフ用品販売ブース、深谷市のご当地物産展コーナーもあり、ご当地ゆるキャラの「ニャオざね」「ふっかちゃん」が会場を盛り上げていた。
イベントでは、ホールインワン達成者に日清カップヌードル1年分が与えられるゴルフシミュレーターでのホールインワンチャレンジや、難易度の異なるパターに挑戦するパターゲームも実施。
他にも9番ホールグリーン裏では日清のキッチンカー付近で日清食品の無料配布も行われており、本大会ならではのユニークなイベントが盛りだくさんであった。
そしてギャラリープラザでは非常に珍しい、コース管理の紹介コーナーも設置。芝刈り機メーカーと太平洋クラブ江南コースのコース管理がタッグを組み、スティンプやコンパクションはどのようにして測るのか、カップはどのようにして切られているかなど、コースセッティングの裏側を紹介するブースが設置されており、普段見ることのない光景を目にして、多くのゴルフファンを惹き付けていた。
大会は、A・ブランド選手が83回という長い歴史の中でもオセアニア勢として初の日本プロ優勝。合わせて左打ち選手としても大会史上初の優勝ということで2つの記録達成となった。

トーナメントの舞台裏紹介コーナー

ご当地ゆるキャラ部門で2014年2位の人気を誇るふっかちゃんが大会を盛り上げた
関西オープンゴルフ選手権競技
5月21日~24日 名神八日市カントリー倶楽部
プロゴルファーの生解説付き観戦ツアーにギャラリー大満足!
「がんばれ関西!がんばれゴルファー!」というサブタイトルのもと、関西オープンゴルフ選手権には、来場したギャラリーを楽しませるための数々の施策が用意された。
中でも土曜日、日曜日に行われた「プロゴルファーの生解説付き観戦ツアー」はプロゴルファーがギャラリーと一緒に観戦をしながら、守って欲しい観戦マナーや、選手を盛り上げる為の声援や拍手の方法などを解説してくれるという、実に贅沢なもの。このイベントに協力してくれたのは日本オープンなどツアー通算10勝を挙げている田中秀道プロ、シニアツアーで4年連続賞金王に輝いた髙橋勝成プロ、関西オープンの歴代チャンピオンである山本幸路プロ、そして日本ゴルフ界初の博士プロである大東将啓プロの4人。それぞれが集まった数十名のギャラリーを引き連れてコースを回り、最後はクラブハウス前で記念撮影を楽しんで終了、参加者全員が大いに盛り上がる姿が印象に残った。
また練習場ではダンロップ、ブリヂストン、ミズノ、キャロウェイ、テーラーメイドなど11社のクラブを一斉に試すことが出来る関西オープンならではのイベント「大試打会」が行われた。参加者は思い思いのクラブを試しながら、その違いを確かめていた。

解説をする田中秀道プロ
~全英への道~ ミズノオープン
5月28日~31日 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部
全英オープンの出場権を懸けた戦いはホストプロ手嶋多一選手が制す!
世界4大メジャー『全英オープン』の国内最終予選「~全英への道~ミズノオープン」。今年も国内屈指のリンクスコース、岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で開催された。本戦中には、上野忠美プロ、児谷直樹プロの解説を聞きながら大会を観戦できる「観戦ラウンドツアー」を開催。普段はギャラリーが足を踏み入れることができない練習グリーンやプレスルーム、選手が優勝会見などを行うインタビュールームを見学し、トーナメントの裏側を体験した。
また、大会期間中は1番ホールに全英オープン優勝者に送られるトロフィー『クラレットジャグ』が展示され、熱戦の行方を見守った。大会はホストプロのミズノプロスタッフ達が大健闘を見せた。初日、69ストロークと好スタートを切った手嶋多一選手が2日目、3日目もスコアを伸ばし、最終日をトップタイで迎える。ホストプロとしてプレッシャーがかかる最終日は、前半で3ストロークスコアを伸ばすと、最後まで付け入る隙を与えず、通算8勝目をマーク。実に29年ぶりとなるミズノプロスタッフによる大会制覇だった。また、上位4名に名を連ねた、S・ストレンジ選手、高山忠洋選手、手嶋選手と同じくミズノプロスタッフの富村真治選手が、全英オープンの出場権を獲得した。

トーナメント観戦ツアーでのインタビュールーム見学

ホストプロの手嶋選手が大会を制覇した
日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills
6月4日~7日 宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース
大会公式アプリの導入
今大会から公式アプリが導入された。主な特徴を紹介すると、1つ目は会場内限定で注目選手のプレーを見ることが出来ることだ。特定の選手に帯同して観戦していると、他の選手を見たいのに見られないという誰もが一度は持ったことのある悩みを解消することが出来た。リアルタイムで見ることが出来る為、優勝争いなどを見逃すこともなくなった。生中継のNHKが放送局だからこそ出来た試みだ。
2つ目は選手の現在位置の把握。帯同して観戦している場合、注目選手の現在位置がわからないということもよくあることだが、こちらも見事に解消した。
3つ目はリアルタイムでのスコアの閲覧だ。トーナメント会場に数か所ある速報ボードや18番のLEDボード以外では、見ることが出来ない選手のスコアも、このアプリを見ればどこにいても閲覧出来る。
普段トーナメント会場では撮影・録画は禁止、携帯電話の通話も禁止とされているため、携帯電話やスマートフォンを持ちながら観戦している人はそう多くない。しかし好評のため、スマートフォンを片手に観戦というギャラリーの姿が多く見られた。
一方大会は、最終日単独首位からスタートした梁津萬選手が通算14アンダーで2位に5打差で逃げ切って完全優勝。2004年からアジアンツアーとの掛け持ちで日本ツアーに参戦して12年目の梁選手が、悲願の初優勝をメジャー制覇で飾った。開幕戦からスタートした日本予選シリーズのランキングでも1位につけて、全英オープンの出場権も手に入れ、さらに優勝副賞のWGCブリヂストンインビテーショナルの出場権も手にした。
通算9アンダーの2位タイにはB・ケネディ選手、永野竜太郎選手、宋永漢選手の3名が入った。

今大会から導入された公式アプリでは様々なサービスが配信された

コースに展示された歴代優勝者パネル
ISPSハンダグローバルカップ
6月25日~28日 ヴィンテージゴルフ倶楽部
圧巻!世界のスター選手を抑えたサムライ
国内男子ゴルフツアー「ISPSハンダグローバルカップ」が今季新設され、6月25~28日まで山梨県のヴィンテージゴルフ倶楽部で行われた。
「グローバル」をテーマに掲げて開催された今大会は、世界6大ツアーの選手の競演や世界5大陸への中継を試み、多方面から高く評価された。
11年マスターズ覇者C・シュワーツェル選手、13年全米プロ選手権覇者J・ダフナー選手、欧州ツアー10勝のI・ポールター選手、2014年サンシャインツアー賞金王のT・アイケン選手など海外からスター選手を招待し、文字通りグローバルな大会となった。
大会は最終日、終盤まで首位と2打差までに10名前後が目まぐるしく動くような展開が続き、誰が優勝を手にするのか全く予想できない状況。
結局72ホールで決着がつかず武藤俊憲選手、A・キュー選手の2選手のプレーオフとなった。
2ホール目で武藤選手がバーディーパットを沈め、3年ぶりのツアー6勝目を飾った。
「今週だけはI・ポールター選手よりうまかったと言える」と本人は大満足。記念すべき第1回大会覇者となった。注目のI・ポールター選手は4位タイ、ホストプロの藤本佳則選手とシュワーツェル選手は10位タイという結果で、最後の最後まで優勝争いの一員として大会を大いに盛り上げた。優勝した武藤選手にはマスターズ覇者に贈られるグリーンジャケットならぬ「グリーン羽織」が贈られた。

大賑わいの最終日のギャラリープラザ

グリーン羽織を身にまとい、笑顔を見せた武藤選手
長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント
7月2日~5日 ザ・ノースカントリーゴルフクラブ
地域貢献とスポーツ振興、長嶋茂雄大会名誉会長によるアオダモ植樹
大会開催前の6月30日(火)に、地元の子供たちにゴルフの楽しさを伝えるために、地域貢献とスポーツ振興のタイアップイベントとしてスナッグゴルフの講演会が行われた。
地元の千歳市立信濃小学校5年生67名を対象に催され、山下和宏選手が講義を行った。
大会最終日7月5日には同じく地域貢献とスポーツ振興を目的として、この大会がスポーツ界を結ぶ様なイベントに育てていきたいという趣旨のもと、長嶋茂雄大会名誉会長によるアオダモ植樹が行われた。
大会期間中は会場のギャラリープラザに北海道ならではのブースが立ち並び、千歳発のとんたまバーガーや北海道の海の幸を堪能できるお弁当も用意されていた。
今大会は賞金総額15,000万円、優勝賞金3,000万円に加え、優勝副賞以外にも様々な賞が盛りだくさん。
千歳市長賞・長嶋茂雄賞・ベストアマチュア賞・ホールインワン賞・イーグル賞・ドライビングディスタンス賞・コースレコード賞・連覇ボーナス賞。
様々な賞の中でも目玉はNo.16のホールインワン賞。何と賞金は700万円!今大会ホールインワン賞の達成者は現れなかったが、多くの注目を集めたに違いない。
一方、競技は首位と2打差でスタートした岩田寛選手が、去年チャレンジトーナメント賞金王の若手・今平周吾選手とのデッドヒートを制し、トータル16アンダーでツアー2勝目を飾り幕を閉じた。

スナッグゴルフ講演会の様子

長嶋茂雄名誉会長によるアオダモ植樹