トーナメントライブラリー女子 2015-11

ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント

9月4日〜6日 みずなみカントリー倶楽部
大盛況のチャリティーフォト、イ ボミ選手2週連続優勝で歴史に名を刻む

 大会初日と2日目に本大会の注目イベントが行われた。トーナメント会場でよく耳にするチャリティーフォト。お気に入りのプロと記念撮影が行えるイベントである。一般的なトーナメントはそのイベントを「抽選」で行っているが、本大会は「先着」というのが醍醐味である。2日間共にゲートオープン前から500名を超えるギャラリーが来場し、会場を大いに賑わせた。
 一方競技は、最終日ベストスコアを出した成田美寿々選手が、2日目まで首位に立っていたイ ボミ選手と並び、勝負は2人のプレーオフへともつれ込んだ。5ホール目でボギーとした成田選手に対してイ選手がパー。今季4勝目をあげるとともにツアー史上初となる2週連続完全優勝を飾った。年間獲得賞金2億円突破の大記録への期待もさらに高まった。

好きな選手との撮影を目当てにたくさんのギャラリーが並んだ

好きな選手との撮影を目当てにたくさんのギャラリーが並んだ

日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯

9月10日〜13日 パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ
史上9人目のメジャー3冠

 日本女子プロゴルフ界の伝統と歴史を築き上げてきた本大会は今年で48回目を迎え、長崎県のパサージュ琴海アイランドゴルフクラブを舞台に“女子プロゴルファー日本一”の称号をめぐる熱き戦いが繰り広げられた。
 1996年よりスタートした「ルーキーキャンプ」は今年も実施。その年入会の新人会員がボランティアや大会関係者と共にトーナメントの運営業務を経験し、その仕組みを深く理解することでプロゴルファーとして、また一社会人としての自覚を醸成させることを目的としている。
ギャラリープラザには長崎名物ちゃんぽんをはじめ九州のご当地グルメが出店されたほか、「コニカミノルタコーナー」では豪華賞品盛りだくさんのチャリティダーツゲームが開催され、連日多くのギャラリーで賑わっていた。
通算7アンダーで試合を制したテレサ・ルー選手は、この優勝により公式戦3勝目。残る「ワールドレディスサロンパス杯」を制すと国内女子初のグランドスラム達成となる。また、今大会を終えての平均ストロークは69.9506。前人未到の平均ストローク70切りもいよいよ現実味を帯びてきた。

トーナメントの裏側を学び、プロとしての自覚を身に付ける新人会員たち

トーナメントの裏側を学び、プロとしての自覚を身に付ける新人会員たち

マンシングウェアレディース東海クラシック

9月18日〜20日 新南愛知カントリークラブ 美浜コース
渡邉彩香選手が念願のドラコン女王に輝く

マンシングウェアレディース東海クラシックでは、毎年第2ラウンド終了後にLPGA
公認「マンシングウェア2015女子プロドライビング女王コンテスト」を開催している。各選手2球打つことができ、フェアウェイを捉えたボールのみが計測の対象となる。
 今年は、19日に22歳の誕生日を迎えた渡邉彩香選手が、向かい風3mの中263.6ヤードのビッグドライブで、2位の工藤遥加選手に15.9ヤードの大差をつけ女王に輝いた。渡邉選手の1球目はフェアウェイ左のラフ。対象外だったが距離は260ヤードを越えており、2球目に周囲の期待が高まった。そして、運命の2球目でフェアウェイを捉え、手応えを感じた彼女は、ティーショット後に思わずガッツポーズ。見事に優勝賞金50万円を獲得した。「ずっと優勝したいと思っていた」だけに喜びもひとしおだ。
また、ウェア契約をしているデサントからお祝いの誕生日ケーキがサプライズで贈られ、ダブルで忘れられない1日となった。

22歳のバースデーケーキを贈られた渡邉彩香選手

22歳のバースデーケーキを贈られた渡邉彩香選手

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント

9月25日〜27日 利府ゴルフ倶楽部
ディフェンディングチャンピオンの酒井美紀選手ら6名がこども病院を慰問

宮城県立こども病院は「すべての子どもに、いのちの輝きを」をコンセプトに、東北で初めての小児医療の総合病院として2003年11月に開設されているが、大会は設立前の2000年からチャリティ活動で支援を続け、病院からの要望で救急車や院内看板等を寄贈してきている。
大会出場選手による慰問が12回目となる今年はディフェンディングチャンピオンの酒井美紀選手をはじめ、吉田弓美子選手、西山ゆかり選手、前田陽子選手、大江香織選手、福田真未選手の6名が趣旨に賛同し参加した。
6名は3組に分かれて子供たちの病室を回り、記念写真を撮ったり、一緒にゲームを楽しんだりと思い思いの時間を過ごした。2度目の参加になった酒井選手は「すごく元気をもらいましたね。手を振るとものすごい勢いで振り返してくれたり、手を握ると凄い力で握り返してくれたり…。本当はこっちが頑張ってと言いに来たはずなのに、逆に力を頂いた気がします。私はプロゴルファーなのでプレーで返すことが出来たらと思います。」とコメントした。

子どもたちとの触れ合いで「力を頂いた」選手たち

子どもたちとの触れ合いで「力を頂いた」選手たち

日本女子オープンゴルフ選手権競技

10月1日〜4日 片山津ゴルフ倶楽部 白山コース
激闘の末、メジャー2勝目を掴む

 ギャラリープラザでは日本女子オープン、日本オープン、日本シニアオープンの3オープンの開催を記念してオフィシャルグッズの販売が行われた。オフィシャルグッズは3オープンの会場や、HPなどでも購入可能で、キャップやポロシャツ、ゴルフボールなどの小物も多数取り揃えており、品揃えは豊富。
 1日目の競技終了後には、イ ボミ選手、2日目には宮里藍選手と宮里美香選手によるチャリティーサイン会も行われ、賑わった。
 競技については、ロレックスランキングのトップ10に入る世界のトッププレーヤーが4名来日参戦しており、上田桃子選手や宮里藍選手、宮里美香選手、横峯さくら選手ら日本を代表する選手達が迎え撃った。
 最終日、首位でスタートした菊地絵理香選手にチョン インジ選手と李美香選手が追いつきプレーオフに突入。4ホールにも及ぶ激闘の末、チョン選手が見事優勝。5月の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」に続き、国内メジャー2連勝を達成した。

イ ボミ選手によるサイン会は多くのファンで賑わった

イ ボミ選手によるサイン会は多くのファンで賑わった

スタンレーレディスゴルフトーナメント

10月9日〜11日 東名カントリークラブ
イ ボミ選手が年間獲得賞金史上最高額を更新!

 「挑戦−CHALLENGING THE BEST」をスローガンに、多くのアマチュアゴルファーに出場機会を設けている本大会。「挑戦する人」に広く門戸を開き、応援してきた。富士山が眺望できる絶好のロケーションの下ティーオフを迎えたが、最終日は濃霧の影響により、9ホールの短縮競技に変更。上位の選手にとっては1つのボギーも許されない緊迫した展開となった。そんな中、トップと1打差で最終日を迎えたイ ボミ選手が、4バーディーを奪う猛チャージ。圧巻のプレーで今季5勝目を手にした。さらに、この勝利で横峯さくら選手が2009年に樹立した年間獲得賞金の最高記録を更新。開幕前に掲げた“年間5勝”の目標達成に華を添えた。
 ギャラリープラザにはレーシングチームの「チームクニミツ」が登場。レースクイーンによる撮影会&サイン会が一味違ったギャラリープラザを演出した。さらに今年も「ベストオブチャレンジ賞」を実施。バーディーやイーグルなどに準じてポイントを選手に付与。全選手が獲得したポイントを1ptにつき1万円に換算。今年は904万円がチャリティ金として岩手県・宮城県・福島県の被災遺児支援活動に寄付された。

撮影会やサイン会でギャラリープラザを盛り上げたチームクニミツ

撮影会やサイン会でギャラリープラザを盛り上げたチームクニミツ

富士通レディース

10月16日〜18日 東急セブンハンドレッドクラブ 西コース
28歳初勝利!生涯獲得賞金4億円突破!

 今年はテレビ放映だけでなく、特設されたサテライトスタジオから1番、13番、18番、練習場の模様をインターネットでライブ配信し、競技終了後の選手もゲスト出演していた。さらに各選手の様々なシーンを一打単位で検索・視聴することもでき、視聴者から好評を得ていた。
選手達による熱い戦いだけでなく、スマートフォンやパソコンの新製品に実際に触れることができる「富士通ブース」、ゼクシオ・スリクソンの最新モデルクラブの試打が可能な「ダンロップ試打会」、3Dセンサーで人の動きをモニタリングする「Skill Monitor」をゴルフに適用したスイング診断など、本大会ならではのイベントも催された。
 また、本大会では、プロアマチャリティトーナメントに参加したアマチュアの参加費を全額“あしなが育英会”に、入場料収入の一部を障がい者スポーツの普及・振興のため、“公益財団法人日本障がい者スポーツ協会”に寄付するなど、ゴルフを通した社会貢献にも尽力している。
 試合は、13日の火曜日に28回目の誕生日を迎えたテレサ・ルー選手が、初日からの首位を守り切る完全優勝で今季5勝目、ツアー通算9勝目を達成。生涯獲得賞金は4億円を突破した。

完全優勝で今季5勝目を挙げたテレサ・ルー選手とロゥエストアマチュア賞を獲得した新垣比菜選手

完全優勝で今季5勝目を挙げたテレサ・ルー選手とロゥエストアマチュア賞を獲得した新垣比菜選手

NOBUTA GROUPマスターズGCレディース

10月22日〜25日 マスターズゴルフ倶楽部
後続の追撃を1打差でかわしツアー通算19勝目

 シーズンも佳境を迎え各選手の思惑が交錯する中、それを象徴するかのように試合は熾烈を極めた。2日目を終えトップに並んだのは2013年賞金女王・森田理香子選手やテレサ・ルー選手などの実力者をはじめ、プロ2年目の堀琴音選手、大西葵選手など勢いのある若手ら7名。第2ラウンド終了時点でトップタイに7人が並ぶのは、3日間大会、4日間大会を通じて1988年ツアー制度施行後最多新記録で、目まぐるしく入れ替わるリーダーズボードを前に大勢の観衆が釘付けとなった。
最終日、風速6mを越える強風に多くの選手が伸び悩む中、辛抱強く72のパープレーで回った李知姫選手が、猛追したアン ソンジュ選手から1打差逃げ切り通算9アンダーで今季2勝目を達成。マスターズGC所属プロのイ ボミ選手は、ホステス優勝と年間獲得賞金2億円突破に期待がかかったが、75と崩れ通算5アンダーの3位タイでフィニッシュ。女子では史上初となる2億円突破の偉業達成は次戦以降に持ち越しとなった。

2ラウンド終了時点で首位タイに過去最多の7人が並ぶ大混戦

2ラウンド終了時点で首位タイに過去最多の7人が並ぶ大混戦

樋口久子 Pontaレディス

10月30日〜11月1日 武蔵丘ゴルフコース
ツアー初出場のアマチュアが首位発進の快挙

本大会は、世界ゴルフ殿堂入りを果たした樋口久子氏の功績を記念し創設されたトーナメントで、今年度開催コースの武蔵丘ゴルフコースは、2004~10年にも本大会の舞台として数々の名勝負が生まれたことで知られる。5年ぶりに帰ってきた今年も、その歴史に新たな1ページを刻み込んだ。
 混戦が予想された戦いの中で、主役の座を奪ったのは弱冠16歳、ツアー初出場の高校生アマチュア・畑岡奈紗さん。並み居るプロを押しのけ初日を終え4アンダーで単独首位に立った。1988年のツアー制度施行後初の“ツアー初出場のアマチュアが首位発進”という偉業を達成した勢いそのままに2日目終了時点でも首位をキープ。史上初の“ツアー初出場で初優勝を完全優勝”と“マンデートーナメント予選通過からの優勝”に注目が集まったが、プロの意地がそこに待ったをかけた。
 最終日、首位タイでスタートした渡邉彩香選手が、前半だけで5バーディーを奪う猛チャージを見せ、終わってみれば通算11アンダーで2位に4打差の圧勝。今季2勝目を達成し、賞金ランキングは日本人最高位の3位に浮上した。注目の畑岡さんは、快挙達成とはならなかったが通算4アンダーの7位タイでフィニッシュした。

ツアー屈指の飛ばし屋・渡邉選手と飛距離で互角に渡り合った畑岡さん

ツアー屈指の飛ばし屋・渡邉選手と飛距離で互角に渡り合った畑岡さん

TOTOジャパンクラシック

11月6日〜8日 近鉄賢島カンツリークラブ
日米トッププロの激闘はプレーオフの末、アン ソンジュ選手が優勝!

 年に1度の日米両ツアーの共同開催。今年から「TOTOジャパンクラシック」と大会名称を変えて開催された。
 大会は16アンダーでアン ソンジュ選手、A.スタンフォード選手そして李知姫選手が並び、プレーオフへともつれ込んだ。プレーオフ1ホール目、アン選手がピン奥1.5mのバーディーパットを沈め優勝を決めた。自身147試合目での20勝達成は、1988年のツアー制度施行後最速での達成となった。さらに生涯獲得賞金額7億円突破も、同じく147試合で最速記録を樹立した。最後にツアーでは5年ぶりとなる自身初の3日間ノーボギー優勝を見事達成してみせ、記録ずくめの優勝となった。
 大会イベントとして「TOTOほっカラリ床パターゲーム」、「出場選手と一緒に写真を撮ろう!チャリティフォト」など日米両ツアーならではのイベントが満載で多くのギャラリーが楽しんだ。