GreenKeeper’s Voice 2014-02

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鶴舞カントリー倶楽部 西コース 7番ホール


 鶴舞カントリー倶楽部では、女子プロトーナメントの開催が5年目となります。

 本年度から開催コースが西コースに変わり現在も急ピッチで整備の方が行われています。

 開場43年目となる今年、光と風をテーマとして樹木の整備を実施し美観、景観を良くする様にと思っています。

 また、LPGA側からの指摘があった樹木の下枝切り、スタートティーグランド周りの灌木の撤去なども行っています。ギャラリーの皆様の導線箇所の安全対策には重点を置き今後、実施しなければと思います。

 春先のトーナメント開催の場合、昨年の秋の晩秋施肥が重要になります。日本芝の休眠期前にしっかりと養分を蓄えさせる、そして芝の刈りカスなどのサッチ分解促進を目的とした分解剤の施用が重要です。

 あと昨年の秋以降、冬の日本芝の休眠期にはスリキレによる痛みなどからの保護の為の目砂などを定期的に行いターフの維持に努めなければなりません。ティーの昇降口のマット敷き、規制ローピングによる痛み軽減も同じです。集客等の予約状況などを見ながら実施しています。FWの低刈り10mm、総目砂の作業も3月上旬から始まります。グリーンの管理は秋以降から定期的な施肥の実施、冬場では最低気温がマイナス8度位まで下がるので酵母菌などの施用にて凍害、霜害、凍上を防いでいます。

グリーンの肥培管理は特に重要課題でありポイントとなります。日本芝同様に秋からの更新作業、施肥にて新根の伸長を促します。10月から3月の半年で全体の施肥量の2/3を施用する事になります。この根の伸長が翌年のグリーンコンディションを決め、そしてここ数年続く高温多湿の夏越しの為の準備であると考えています。

 あくまでもコンパクションを上げるのは根であるので注意深く観察していくつもりです。2ヶ月前より指定練習日までの逆算の形での肥培管理、刈り高の変更(最終設定の刈り高まで)、生育抑制剤の散布等などの管理予定を組みます。気象条件により施用量、タンクミックス資材の選定などが変わるので本当に頭が痛く胃も痛くなり悩みますが良好なグリーンの仕上げには不可欠な所で、キーパーの知識と経験が問われるポイントです。

 トーナメントが盛り上がるそんなターフ、グリーンに仕上げたいと思っています。今年も新しいドラマの演出が出来る様、仲間達と頑張っていきたいと思います。


鶴舞カントリー倶楽部グリーンキーパー

三上 伸雄