GreenKeeper’s Voice 2014-11
東京よみうりカントリークラブは東京都心から至近距離にある雄大で歴史のある国内有数の本格的な競技コースです。
東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)に名匠・井上誠一氏の設計によりオープンしました。今年、開場50周年を迎えグリーン改修を行いました。
昨年の第50回記念ゴルフ日本シリーズJTカップは、宮里優作選手の劇的な18番ホールのチップインで優勝が決まった、記憶に残る最高の大会でした。
大会終了後、その翌年1月からコースに重機が入り大きな爪で芝をはがし新ベントグリーン改修工事に着工しました。
既存グリーンの形状を変えることなく井上誠一氏の設計を残したまま、第4世代の最新ベントグラス“シャーク”の芝に変更し床も50年前の床土を表層45cm入替え張芝方式とし、内部排水設備(グリーン暗渠)は老朽化により機能低下しているために全交換するという難しい工事でした。天候も2月に記録的な積雪により、3週間ほど工事がストップしてしまい工期との戦いでもありました。
張芝後苦労した点は、根を深く伸長させることでした。水・肥培管理を適切に行い、夏が来るまでに根を20cm以上生育させることができました。芝1㎡当たりに何cc散布したら良いか土壌水分計を利用し土壌内水分分布の計算を行い水管理に気を配りました。
まだまだやらなければならない作業がたくさんあり12月の日本シリーズJTカップに向けて1日たりとも無駄にはできません。
私たちコース管理一同は、このようなゴルフコースに携わることができてたいへん光栄であると感じています。
これからも現状に満足することなく夢と感動をお客様に届けられるようなコースメンテナンスを目指して努力を続けていきたいと思います。
東京よみうりカントリークラブ
統括グリーンキーパー
小池信一
今年1月から新ベントグリーン改修工事を行った東京よみうりCC18番グリーン