GreenKeeper’s Voice 2015-1
福島県の歴史ある大会「福島オープンゴルフ」は地元プロゴルフ協会が中心となって20年前よりプロとアマをつなぐオープン競技として始まりました。震災の年も途切れることなく開催され、昨年多くの方々のご尽力により男子ツアートーナメント「ダンロップ・スリクソン福島オープン」となり、私どもグランディ那須白河ゴルフクラブで開催されました。この大会は前身がそうであったようにゴルフと地元の活性を目指して開催され、大会期間中は大いに盛り上がり、地元の方々も迫力ある男子プロのプレーを楽しまれました。
さて私どものコースは、グリーンのみならずティグラウンド、フェアウェイにも夏の暑さを苦手とする寒地型芝草に属するベントグラスを使用しております。昨今東北地方も温暖化が進んでおり、寒地型芝草の適地では無くなり、夏を迎えるにあたって毎年神経を使って管理してまいりました。昨年は特にトーナメント期間と梅雨明け直後の猛暑が重なり、ベントグラスが一気に落ち込むリスクが高い状況でした。そのため暑さに耐えうる体力がベントグラスに十分に付くように肥培管理には十分工夫を致しました。また梅雨末期の開催でゲリラ豪雨によりバンカー砂が激しく流されるリスクも心配されましたが、期間中幸いそれはなく終了し、関係者一同安堵致しました。
「ダンロップ・スリクソン福島オープン」は今回初の試みで総事業費のスリム化によるコンパクトな運営を行う方針で進められました。それでもギャラリーや地元の盛り上がりを見ておりますと、新しい形のトーナメントの始まりを感じずにはいられませんでした。今年も十分な準備を行い、またゴルフと地元を盛り上げてまいります。この大会が全国のモデルとなりトーナメント開催の少ない地域での大会開催が広まり、ゴルフの底辺が広がるよう頑張ってゆきたいとスタッフ一同思っております。
グランディ那須白河ゴルフクラブ
グリーンキーパー
林 重人
大会18番ホールを取り囲む大勢のギャラリー