GreenKeeper’s Voice 2016-11

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プレーオフを制した池田勇太選手とコース管理メンバー

HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLFの2年目を迎えるにあたり、昨年以上のコースセッティングで選手を迎える事を目標としたが、度重なる台風と記録的な日照不足の影響は深刻であり、思うような準備をして選手達を迎え入れることはできなかった。

特に排水に関しては、2014年より実施している排水工事によりバンカーは雨がやめばすぐに水がなくなる状態になっていたが、FWは暗渠排水工事の施工面積不足もあり充分なコンディションにならなかったのは反省点である。

また、グリーンは、排水不良の原因となっている床構造中の砂層とグラベルの境に存在する金属と石灰で形成された硬いレイヤーを壊すため、13年以降、春に深度45センチのドリル施工を継続実施してきた。その結果、雨が弱くなれば表面の水は速やかになくなるようにはなったが、造成時に混合されている大量のピートモスが水を含むことが影響し目標のコンパクションとスティンプの達成を難しくした。

石岡GCは日頃からトーナメントクオリティのコースの提供を目指している。トーナメント終了後、早速に冬以降の作業計画を修正し、FWとラフの排水を改善させなければならないと考えている。特にFWは暗渠排水工事に加え、更新作業、目土作業の強化による降雨対策を実施するつもりだ。

トーナメント3日目は、20mmの降雨と雷による中断の後、日没サスペンデッド。4日目は3Rの未消化分終了後に5mm/時の降雨があり、FRは40分遅れの10時スタートとなった。FRはプレーオフとなったが4ホール終了後、再びサスペンデッド。翌月曜日に持ち越しとなるJGTOツアー史上初の展開となった。プレーオフでは、合計4回のロケーション変更があり、4回目のロケーションは青木会長自らがグリーン上で決定。9ホール目で池田選手がバーディーを決め優勝という記憶に残る大会になった。

JGTOからは「4mm/時の雨量まではプレー中断しなくてよいグリーン」という要望も聞かれたため、今後、降雨に負けないコースにするべく総力を結集して整備を進めていくつもりだ。


石岡ゴルフ倶楽部 コースマネージャー
尾谷 幸弘