ヨーロピアンツアーとのミーティング
WGC-HSBCチャンピオンズの舞台、シャーシャンインターナショナルGCのグリーンは約12フィートの速さに設定されていた。通常のヨーロピアンツアーは11フィート程度となっているため、速めの設定だ。コンパクションは測定されていないが「硬めに設定している」と、担当者は語っている。
フェアウェイ幅はヨーロピアンツアーの平均25ヤードに対し、23~25ヤード。ラフは32㎜、64㎜、90㎜(伸びて100㎜を越えた部分もある)の三段階に揃えた。
パー4、パー5ホールのティーインググラウンドについては「初日、2日目はあまり動かさないことが多いが、3日目、最終日は少し変化を持たせるために距離を短くすることが多い。このコースではパー3が200ヤード程度のホールなので少し短くしたり、パー5でアグレッシブに(2オンが)狙えるような距離に持って行くこともある」。
ピンポジションについては、基本的には日本ツアー同様、6ホールずつ易しい、普通、難しいの三段階としているが、距離が短い時やグリーンが柔らかい時には難易度を増すと言う。
ペアリングについては大会週の月曜日に作成し、火曜の午前中に打ち合わせをし、午後発表というのが通常の流れ。ここでは放映TV局の意見も聞き、ある程度は希望を入れることも明かしている。
ゴルフがさらに多くの人々の目に触れる機会として大切な2016年リオ・デ・ジャネイロ、2020年東京の両オリンピックについても、ヨーロピアンツアーはもちろん準備を整えている。
「(チーフエグゼクティブ・オブ・ヨーロピアンツアー)ジョージ・オグレディ氏とIOCが話し合いをしている。当初はアマチュアだけの出場という話だったが、プロも出られることになったのでスケジュールを調整している。オリンピック開催週には選手が出られるように。東京オリンピックの日程もおおよそわかっているので調整している」と言う。
アジアとの共催も多いヨーロピアンツアーは、他のツアー以上にスケジュールがぎっしりと詰まっている。それだけに調整も大変に思われるが「まだ作業中ですが、オリンピックの時期には(トーナメントの)日程を動かしてもらう作業はもう進めている。とにかくツアーとしては選手が必ずオリンピックに出られるように動いている。各国協会ともそのあたりの話はしている」。ヨーロピアンツアーでは、トーナメントを転戦するためにパスポートを持って毎週、国境を越えるのが当たり前。それだけに、インターナショナルな面とフレキシブルな面を併せ持たなければ運営できない。そのことは、アジアへの早い進出でも明らかになっているが、オリンピックへの対応の仕方にもそのあたりが感じられた。
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