ダンロップ・スリクソン 福島オープンゴルフトーナメント

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— 今、大会を終えられて率直な感想は

レギュラーツアーを無事にやり終えて、ホッとしているというのが1番目です。2番目は反省点が非常に多いので、総括で大きな会議を行って、次に向けていろいろとアクションを起こしていこうと考えております。

— ゴルフ人口減、市場の伸び悩み、男子ツアーが縮小傾向にある中で男子トーナメントをやろうと思った目的、意図について

ゴルフの活性化のために、実は以前から用品協会の活性化委員会に参加するとか活性化を目的としたNPOに協力するということをやっていましたが、手伝うだけではなく、我々も会社として何かをやろうじゃないかと社内で「+G(プラスゴルフ)」プロジェクトを立ち上げました。プロジェクトチームで様々な検討を行い、昨年から実施している試みもあります。今回のトーナメントもその一環です。このトーナメントに関しては今、男子ツアーが減ってきているので男子ツアーをやりたい。それから出来れば開催されていない地域でプロの生のプレーを見てゴルフの素晴らしさを知ってもらいたい。それと目標として事業費を抑えて、これでもゴルフトーナメントができるというモデルケースを作り、他からもやってみたいという声を募りたいと考えました。ゴルフの活性化に対し、一つのメーカーが出来ることは限られています。我々は初心者支援プログラムにしてもこのトーナメントにしても、「こんなことが出来ますよ」という例を世間に示して、後に続いてくれるところに出てきて欲しいという意味合いで実施しました。

— 開催場所やコースの選定、段取り等は

まず総事業費を抑えるという目的で、いきなりゼロから立ち上げるよりも県オープンをやっているところに我々が参画させていただくのが一番良いのではとなりました。そこで、県オープンをやっているいろいろなところに打診して候補を見いだしていきました。実は福島は最初、県オープンの規模が小さくて候補からは少し外れていました。それでもどこでやろうかということになった最終段階では、東日本大震災からの復興支援もあるので福島でやろう、沢山の応援をいただけるような事業計画を頑張って考えよう、ということになりました。

— 大会の特長として予選会システムの実施、ゴルフの活性化活動ですとか、総事業費のスリム化など様々な試みをされていますが一番こだわった点というのは

地域との密接な繋がりでしょうか。事業費もこだわっていますけれど、地域が支えてくれるトーナメントにしたいということはすごく思いました。

— 大会を支える地域のスポンサーの数も100を超えていた

そうですね。地元の個人レベルから企業まで沢山の応援をいただきました。それでも費用としては不足でした。それと福島県というのは縦に3つの地域がありまして、中通りと浜通りと会津とあるのですが、今回は準備期間が少なかったことで、いろんな事が出来たのは中通りだけでした。全地域にまで広げていればもう少し応援がいただけたのかも知れません。

— もうひとつのこだわりだったという総事業費のスリム化についてはどのような評価が

賞金総額5,000万円ですから、最初はテレビ放映を除けばその2倍くらいの事業費でやりたいと思いましたが、そこはまだ無理でした。結果としてテレビを除いて総事業費は約1億5,000万円、当社が1億拠出しまして残りはスポンサーからの協力とチケット収入などで開催することが出来ました。すごく安くは出来たと思いますし、その費用でもあれだけのトーナメントが出来るという実績は残せたと思います。

— 普通の男子のトーナメントの3分の1くらい…

そうですねぇ、半分以下…半分までは行っていないというところでしょうか。設備的にはグランディ那須白河ゴルフクラブはスタンドが無くても結構どこからでも見えるレイアウトであって、その点はすごく助かりました。また、ゴルフ場の協力で、ほとんどの機能設備を既存の建物の中に置けたというのも助かりました。その辺りも選定の基準でした。

— 最後にゴルフ界全体の活性化についてご意見があれば

今回、モデルケースにしたい点のひとつに地元が支え長く続くトーナメント作りがあります。今は大きなスポンサーさんがやっているトーナメントが多いのですが、それが大きな企業などの場合は経済情勢の変化でスポンサーを降りられることがあり、そうなるとそのトーナメント自体が無くなってしまう。本当は高額では無い費用を沢山のスポンサーで捻出して支えてくれる体制が将来に向けても安定するのではないかと思います。我々は新しいトーナメントの開催に全面的に協力します。冠には全くこだわっておりません。それにもっと業界も会社とか組織とかの垣根を越えて活性化に向けて協力し合っていくべきだとも思います。ゴルフ関係の業界が少しずつお金を出してでもこのくらいのトーナメントは出来るかも知れませんし、来年はもう1試合増やしたいので、是非とも手を挙げていただきたいと思います。

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地元自治体はじめ地域の方々と連携してトーナメントは開催された