JGTO青木会長インタビュー
すべての関係者が共に動くことで
プロゴルフをさらに活性化させたい
昨年、周囲の大きな期待を背負いJGTO会長に就任した青木功会長。ゴルフ界のレジェンドとして若手育成に力を注ぎつつ、プロゴルフの活性化のために奔走している。ここまでの所感と2年目の抱負について伺った。
─ 就任1年が経ちました。ここまでの感想をお聞かせください
2016年は「人を育む」というスローガンで運営してきました。本当に人を育むことができたのかどうか、自分ではまだ満足はできていませんけどね。選手にはいろいろ注文をつけていて、それが少しずつ行き届き、シーズン後半になって選手の士気が上がってきた感じはします。それがトーナメントを盛り上げて、熾烈な賞金王争いにつながったのではないでしょうか。
─ 選手にはどんなことを言っているのですか?
見られていることを意識しなさいとか、プロゴルファーとして報道される義務があるんだよとか、いろいろ言っていますよ。でも、分かっている人と分かっていない人がいますね。まあ、少しずつ浸透してきてはいるのかなというのは感じていますけど。
─ 2017年のスローガンは「共に歩む」ということですが
私が言うことで、皆が少しずつ動くようになってきました。じゃあもっと選手と一緒になって動いたらどういう結果になるんだろうかということで、選手、私、スポンサー、ギャラリー、ボランティアなど、皆が一緒に動こうという意味で「共に歩む」というスローガンにしたわけです。選手ばかりでなく、すべての関係者を含めて活性化に向けて結束力を高めていきたいという気持ちの現れです。
─ 青木会長としては、トーナメントがどうなるといいとお考えですか?
私たちが現役だった頃は“選手の名前”で見に来てくれるギャラリーが多かった。でも、今はそうじゃない。大会のブランド力で人が集まっている感じです。やっぱり「賞金王になった池田勇太選手はどんなにすごいんだろう」とか、「今週の谷原秀人選手や小平智選手はどうだろう」と、“人”で見に来てくれるようになってほしいなと思います。
─ それは選手自身に強さや魅力がなければダメですよね
そう。だからさっきも言ったように、見られている、書かれることを意識してほしいのです。書かれるなら、自分のカラーを作ってほしい。皆、もっと自分をさらけ出してほしい。
今、バーディーをとって派手にガッツポーズする人ってあまりいませんね。おとなしく「ナイスバーディー」なんてね。そうじゃなくて、うれしい時はうれしいなりに、もうちょっと表現にアップダウンがあってもいいような気がします。今の若い人たちは、マスコミとのコミュニケーションの取り方も下手なのかもしれないですね。でも、そういうことがプロゴルフ全体の面白さにつながっていくことを意識してほしいですね。
─ ゴルフは個人競技ですが、個人それぞれが責任を持たないと全体がだめになってしまいますね
そうです。今JGTOのメンバーは200人ほどいますが、「選手たちはそれぞれ個人事業主だ。だけどJGTOの会員だということに関しては理解を求める」ということをもう少し浸透させないといけないと思います。
─ 青木会長としては、まだまだやることがたくさんありそうですね
自分でどれだけ動けるか分からないけれども、できる限り今まで以上に動きたいと思っています。だから体力維持のためのトレーニングなど、いろいろやる意欲は湧いていますよ。皆さんはよく「心技体」と言うけど、私は「体技心」だと思っています。スポーツをやるにしても、仕事をするにしても、人と話をするにしても、体力がなかったらいいアイデアも湧かないし、動けないですから。
─ 2020年の東京オリンピックに向けての活動については、どのようにお考えですか?
東京オリンピックに、JGTOに今いる選手で誰が出場出来るか分かりません。でも、私はジュニアも指導しているので、そういう若い人達の中からオリンピックの選手が出てくれないかなと期待しています。女子の畑岡奈紗選手みたいな、とんでもない選手が出てきてほしいね。
─ 2017年シーズンのみどころは?
これまで池田選手、小田孔明選手らが賞金王になりました。そういうトップ選手が1回だけでなく2回目の賞金王を目指してどんどん競争してくるはずです。若手では永野竜太郎選手、重永亜斗夢選手といった期待の選手が出てきています。そんな選手が増えてきているので、男子トーナメントもさらに盛り上がっていくはずです。
─ スポンサー、主催者、メディア等にご要望があればお願いします
皆様のご期待に沿えるように、スタッフ、ツアーメンバーとも、トーナメントの活性化を目指し、より一層の努力を続けていくつもりです。私もなるべく多くの試合に行って、いろんな方にお会いしたいと思っています。そこで私たちのいろんなパフォーマンスを見て頂き、興味を抱いてもらえたらと思っています。今後とも皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。