JGTO青木会長インタビュー

JGTOはさらにSNSを駆使し発信力を高め、
男子ツアーの魅力をアピールしていきたい

就任以来、「もっと貪欲に、そして派手なパフォーマンスでファンにアピールを」と選手たちを鼓舞し続けてきたJGTO青木功会長。その姿勢が奏功し、昨シーズンは白熱した試合が増え、ファンも増加傾向となった。今シーズンはこれまで以上に選手との関係性を強めると同時に、自ら率先して発信力を高め、男子ツアーの魅力をアピールしていくという。初のUSPGAツアー国内開催という大きな挑戦も控える2019年の抱負を語ってもらった。

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─ 会長就任4年目となります。今年の意気込みを教えてください

今年はスローガンを「世代へつなぐ」としました。若手からベテランまで、世代から世代へつないでいこうという意味です。男子ツアーはなかなか世代交代が進まず、30〜40代の強い選手が多くいます。それはとてもいいことですが、そこに若手が挑んでいく姿にも多くの共感が得られます。私は就任1年目から若い選手たちに積極的に声をかけて「自分たちの時代を作るという意識を持て」と言ってきましたが、そういう姿勢が昨シーズンくらいから少しずつ見えてきたように思います。

─ 昨シーズンは13大会で初優勝者が出ました。若手が大きく成長した印象です

これからが大事です。去年勝った選手が次にいつ勝つか。逆に言えば、彼らがまたすぐに勝つようなら、他の選手は何をやっているんだということになりますしね。そうやって切磋琢磨することがツアーを盛り上げていくんです。ゴルフに限らず、最近は2位になったのに「悔しいけど、楽しかった」などという選手が多くいます。2位になって楽しいと言うのはプロじゃない。少なくとも男子ツアーには、そう言って笑っているような選手はいなくなっています。鬼気迫るゲーム、見ていてハラハラするゲームを見せなさいと言ってきた成果かもしれません。

─ 新年の挨拶で、今年は発信力を高めるとありましたが

3月から、もう一つのアカウントを作って、私自身もSNSを活用します。ゴルフ人気向上に少しでも役立てればという思いです。選手も独自にいろいろと発信してもらえば、ファンも楽しみが増えると思います。また、昨年からはJGTOの公式サイトに英語版を設けています。世界中の人がアクセスできるようにしています。

─ 選手とのコミュニケーションはいかがでしょうか?

石川遼選手会長は、機構との連絡役や調整を本当によくやってくれています。歴代の選手会長もみんな頑張ってくれて、とても感謝しています。昨年末から、選手と機構の情報共有をより強固にしようと、全選手に対して一斉メールを送信することを始めました。これまで試合会場で掲示板に示していたような連絡事項も、選手個人にメールで送信しています。また、昨年まで年1回程度だった選手と機構とのミーティングを、今年は5〜6回行いたいと考えています。私も参加して、選手たちと意見交換をしていくつもりです。これはAbemaTVツアーも含めて行っていく予定です。

─ 今シーズンはUSPGAツアー「ZOZO CHAMPIONSHIP」が日本で初開催されます。話題のビッグトーナメントに何を期待しますか?

賞金総額10億円で、そこに出場できるツアーメンバーは13人と、非常に狭き門です。選手のモチベーションは相当上がっていると思います。もちろん、生のUSPGAツアーを楽しみにしているファンも多いことでしょう。でも、その1試合だけを話題にするのではなく、その試合をきっかけにJGTOの全ての試合に興味を持っていただけたらと思います。「なんだかゴルフ界が盛り上がっているな。他の試合はどうかな?」とね。

─ アメリカのPGAツアーとも提携しました。その目的と今後について

男子ツアーの環境整備の一環です。ゴルフもビジネスなので、PGAツアーにならって必要なことを選手に伝えていくつもりです。すでにPGAツアーの担当者が来日して、ファンやスポンサー、メディアに向けての振る舞い方、心得に関する講演を実施しています。選手も「なるほどね」とわかってきているようなので、今年、あるいは来年と、変化が出てきたらいいなと思っています。

─ 昨シーズンは入場者数やテレビ視聴率などが上昇しました。手応えは感じていらっしゃいますか?

確かに少しずつ増えてきていると感じています。ただ、もっと「この選手を見てみたい」というファンが増えることが理想です。来てくださったファンには選手のほうから声をかけて、冗談も交えて話せるようになってほしい。そういうコミュニケーションをとって、ファンに「来てよかった」というイメージを与えてほしいからです。メディアの皆さんには、ニュース番組で、できるだけ選手のインタビュー映像を使ってほしいと思います。1分でも30秒でも選手が話している映像が流れ、露出していけば、次の試合にファンが来るきっかけになるかもしれないですから。皆さんのご協力を心よりお願い申し上げます。