JGTO青木会長インタビュー

男子ツアーが生まれ変わるためのスタートの年。
選手はもっと荒々しく、派手なパフォーマンスを

就任3年目を迎えたJGTO青木功会長。これまでファンサービスやスポンサー対応、コースセッティングなど、多方面からツアー改革を提言し、徐々にその成果も実を結びつつある。男子ツアーのさらなる発展とプロゴルフ活性化のために、今年もまた新たな挑戦が期待されている。

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─ 昨年、青木会長の就任2年目のスローガンは「共に歩む」でした。できたこと、できなかったことは?

1年目は「人を育む」、2年目は「共に歩む」でしたが、徐々に自分の思う方向に動き始めたかなという感じがしています。できなかったことのほうが多いかもしれませんが、ギャラリーへのフォトサービス、サイン、スポンサーに対しての挨拶などは徹底してきたので、いまは私の中で半分近く浸透してきたかなという感じがしています。

─ いま青木会長がおっしゃったようなトーナメント会場でのサービス、あるいはSNSでの情報発信などの活動も広がっています。ファンの反響はいかがですか?

少しずつですがギャラリーと選手との距離が縮まっているように見えます。人間対人間ですから「おはよう。どこから来たの?」というような何気ない会話でギャラリーはすごく喜んでくれるし、選手が話しかけることによって「来てくれてありがとう」という表現にもなる。そういうことが少しずつできるようになっています。

─ 2018シーズンのスローガンは「発展に努める」です。これはどんな思いですか?

今年のスローガンが単独であるわけではなく、昨年、一昨年の活動を含め、さらに発展に努めていこうということです。これまでの2年間で積み重ねてきたものを糧に、今年はトーナメントに携わるすべての人が共に歩み、一層の発展を目指して成果が出るまでの道筋をつけたいと考えています。

─ 今年は、選手会長に石川遼選手が就任しました。期待されることは?

遼はアメリカで経験してきたこと、たとえばローピングのことなど、これまで以上に選手とギャラリーの距離が縮まるような提案をしているようです。許される範囲で、いろいろと新しいアイデアを取り入れてほしいです。最年少の選手会長ですし、一人では何もできませんから、副会長の宮里優作、深堀圭一郎、薗田峻輔の3人が遼をヘルプしていってほしいですね。

─ チャレンジトーナメントがAbemaTVツアーとなりました。その狙いは?

いま、若い世代の人たちがあまりゴルフをやらないので、そういう人たちがインターネットを見て「面白そうだね」と興味を持ってくれればいいなということからスタートしたものです。ゴルフは年齢問わず長くできるスポーツですから、これを機にもっと若い人たちがゴルフ界に入ってきてくれるようになればと願っています。

─ アメリカのPGAツアーとも提携しました。その目的と今後について

男子ツアーの環境整備の一環です。ゴルフもビジネスなので、PGAツアーにならって必要なことを選手に伝えていくつもりです。すでにPGAツアーの担当者が来日して、ファンやスポンサー、メディアに向けての振る舞い方、心得に関する講演を実施しています。選手も「なるほどね」とわかってきているようなので、今年、あるいは来年と、変化が出てきたらいいなと思っています。

─ 最後に今年のツアー、そして選手たちに期待するところを教えてください

いまの選手はあまりに大人しすぎます。悔しいなら悔しいでもっと感情を露にするというか、荒々しくなってほしいですね。それで叩かれるようなら私が責任を持ちますから。我々の頃は、ワーッと声援が上がったら「ジャンボだな」とか、「こっちは杉原さんだな」とかわかったものです。当時、「尾崎を見たい、杉原を見たい」という人がたくさん来てくれたように、いまの選手ももっと派手なパフォーマンスをして、多くのギャラリーが“選手を見に来る”ようにしていってほしいと思います。今年は男子ツアーが生まれ変わるためのスタートを切る時期と考えています。東京オリンピックも控え、大きく前進する年にしたいですね。