LPGA小林会長インタビュー

トーナメント強化を目指すさまざまな取り組みで、
今季もより内容の濃い試合を演出していきたい

就任7年を経て、いまなお「奮闘しています」という小林浩美LPGA会長。
ステップ・アップ・ツアーの改革やリランキング制度の創設など、さまざまな新しい取り組みに挑み続け、女子ツアーはますますの隆盛を誇る。さらなるレベルアップとグローバル化を目指し、LPGAは今季どのような成長を目指すのか。その意気込みを伺った。

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─ 昨シーズンを振り返って、どのような感想ですか?

入場者数がすごく増えました。大会記録を作った大会も5試合ありました。いまは会場で見たいという人が増えているのかなと感じます。野球や他のスポーツ、また音楽もライブの人気が高まっていると聞きます。そうなると、会場でお客様に楽しんでいただけるような取り組みがさらに必要になってきていると思います。

─ 昨年は4年ぶりに日本人選手の賞金女王が生まれました

私たちの仕事は、強い人、総合力のある人が上にいく仕事です。そういう意味で、去年一番結果を出したのが鈴木愛選手でした。自国の選手が頑張ることを期待するのはどの国のツアーでも共通しています。その一方、世界中でツアーはグローバル化され、国籍問わず多くの人が参入することで競争力が高まり、互いにいいものを引き出しあっています。強い外国選手が多い中、上に行きたかったら自分で頑張るしかないですね。

─ 今シーズンからリランキング制度が導入されます。どう変わっていきますか?

これは、さらなる競争力のアップにつながる制度です。また年間通して安定した力も求められます。前年のQTの成績で前半戦は出られますが、途中でリランキングして後半戦の出場資格を決め直すからです。出場できる試合でいかに成績を残していくかが大事になり、より一打に対する真剣みが増します。それは試合内容に現われて、中身が濃くなるはずです。

─ 「LPGA2019年ビジョン」も2年目に入りました。進捗状況や成果は?

ーナメントの強化と選手の能力をさらに引き出すことを目指し、リランキング制度の導入、コースセッティングの多様化、スタッツの充実などを行っています。コースセッティングについては、以前より日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯は岡本綾子さんにお願いしていました。去年からは塩谷育代さん、山崎千佳代さん、中野晶さんらに、そして今年からは不動裕理さんや茂木宏美さんにも加わっていただき、大会のセッティングをしてもらう予定です。スタッツは平均ストローク、フェアウェイキープ率、飛距離など、各選手のゴルフを数字で見える化し、自己認識することでレベルアップを図ります。今年も項目を増やしていく予定です。

─ 東京オリンピックへの強化策は?

2013年より取り組んでいるツアー強化とは別に、一昨年よりJGAさんと連携し、各地区連盟でトップジュニアに教える取り組みをしています。また、ワールドランキングがオリンピックの出場資格にも関係するので、ステップ・アップ・ツアーでもポイントを取得できるように改革し、昨年からポイント加算されています。コツコツと積み重ねてやっていくことが大切ですから、これからもどんどん選手を強くするために、協会だからできる取り組みを続けていきたいです。

─ 今シーズンの見どころは?

ここ何年かの傾向ですが、群雄割拠、誰が出てくるかわからないところですね。たとえば去年の優勝争いはプレーオフ5回、1打差9回、2打差も9回と、38試合中23試合が僅差の戦いでした。試合の内容が年々濃くなってきて、たくさんの選手の活躍が期待できます。そのなかで誰が抜け出てくるのかというところも見どころです。主催者様はじめいろいろな方々のお陰で38試合も開催させていただくことができ、選手が活躍できる土壌があります。ゴルフファンの皆さんからも「女子ゴルフいいね」と応援してもらえるように、さらにいいものを提供していきたいと思っています。