ゴルフパートナーエキシビショントーナメント
徹底的な感染症対策を施し、
男子ツアーがエキシビション大会を開催!
7月9-10日、取手国際ゴルフ倶楽部(茨城県)で「JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」が開催された。これは、今季国内開幕戦から12試合連続で開催中止となっていた男子ツアーに、ようやくもたらされた明るいニュースとなった。
本来なら、史上初のプロアマ形式で行われる新規大会「ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」として、華々しく開催されるはずだった。4日間競技、賞金総額5000万円の大会として大きな注目を集めていたが、新型コロナウイルスの影響により中止。それでも主催者の厚意によって、賞金ランキングに加算されない2日間のエキシビション大会(賞金総額2200万円)としての開催が実現した。
さて、今大会は徹底した感染症対策が施され、感染予防から選手によるセルフプレーが行われた。ゴルフ関連5団体(JGA、JGTO、JLPGA、PGA、GTPA)によって組織された「新型コロナウイルス対策会議」は、専門家の意見も交えた上で感染症対策のガイドラインを策定したが、今大会はそれに基づき、より詳細な大会独自策を作成した。無観客はもちろん、大会関係者の人数を最小限に抑え、全関係者へのPCR検査の実施、体調チェックなど、感染拡大防止のためのあらゆる対策が施され、今後の大会にとっても試金石となる重要な大会となった。大会に先立つ7月6日、選手、および大会関係者全員が、会場駐車場に特設された検査場でPCR検査を受け、体調や直近2週間の体温を記した問診票を提出。翌7日に検査結果が出て、選手99人と関係者175人の計274人は全員陰性だった。(内2人は検体不足による再検査となったが陰性だった。)
大会期間中はクラブハウスに入る導線にサーモグラフィが設置されるとともに、問診票の提出、検温が義務付けられ、チェック完了者は「検温済み」のシールを見えるところに貼るよう求められた。これも選手だけでなく、クラブハウスへの入場が認められた全員に対して行われた。
出場選手は96名。コーチやマネジャー、キャディら、選手本人以外の来場が制限されたため、練習も試合もプロ競技では珍しい完全セルフプレーで行われた。ほとんどの選手はJGTOが用意した電動カートを利用したが、石川遼選手ら6選手は、自らキャディバッグを担ぐスタイルでプレー。「セルフはプレーにリズムが出てやりやすい」と、柔軟に対応する選手も多く、混乱や遅延がでることもなかった。
エキシビション競技でありながら、大会の模様は2日間ともインターネット配信され、多くの視聴も集めた。感染予防のため、制限の多い中でのプレーではあったが、選手からは「大会を開催してもらい本当にありがたい」「久しぶりの集中、緊張感が心地よい」など、前向きな声が多かったことは印象的だ。
男子ツアー再開への第一歩となった今大会。まずは、無事開催できたことを素直に喜ぶべきだろう。その上で、今回の感染症対策をしっかりと検証していくことが、大事である。こうしたナレッジの共有は、続く次大会開催にとっても大きな後押しとなるだろう。