トラ・メモ Vol.3

Traditional & Memorial Tournament Vol.3

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桜の季節の定番トーナメントが10周年
独自のブランドと企業姿勢を着実にPR

春のゴルフシーズンの幕開けを告げる、華やかな大会として人気が高い「ヤマハレディースオープン葛城」。今年で10周年を迎えた同大会は、「YAMAHA」ブランドの浸透とヤマハの企業姿勢を伝える格好の場として活用されている。その足跡を振り返り、定番トーナメントに成長するためのヒントを探ろう。

10回大会優勝者アンソンジュ選手のティーショット

10回大会優勝者アンソンジュ選手のティーショット

ヤマハレディースオープン葛城は、同じ「YAMAHA」ブランドを持つヤマハ株式会社とヤマハ発動機株式会社が、協同事業とホスピタリティをテーマに共催するトーナメントで、2008年にスタートした。毎年、桜の見ごろに開催され、多くのギャラリーが足を運ぶことでも知られている。

11年は東日本大震災のために開催休止を余儀なくされたが、翌12年は賞金総額を1億円に増額して女子ツアーの賞金獲得の機会を増やすことに貢献。同時に被災地への支援活動も行うなど、社会貢献にも尽力してきた。

このトーナメントの特徴の一つに、優勝者に贈られる副賞がある。他のトーナメントでは高級車が贈られるケースが多いが、この大会ではグランドピアノとボート。「YAMAHA」ブランドPRの絶好の機会となっている。

また、ゴルフクラブメーカーとしても知られているヤマハだけに、毎年ギャラリーイベントとして試打会はもちろんのこと、ヤマハ契約プロによるレッスン会、子どもを対象としたスナッグゴルフ体験会など、ゴルフ関連イベントにも力を入れている。

コース内に設置されたネスカフェ サテライトスタジオ

コース内に設置されたネスカフェ サテライトスタジオ

他に先駆け、いち早くインターネット放送を開始したのも特徴の一つ。コース内にサテライトスタジオを設け、来場したギャラリーも楽しめるよう工夫を凝らしている。

今年で開催10周年を迎えたが、その記念イベントとしてフォトスポットが設けられた。同トーナメントのハッシュタグ付きでSNSにアップすると、オリジナルネームタグがプレゼントされるという仕掛けだ。

毎年、ヤマハの新入社員とボランティアスタッフが会場内のごみ収集を行ったり、自然エネルギーで発電したグリーンエネルギーを使用するなど、ヤマハの企業姿勢をしっかりと打ち出すことにも大きな役割を果たしてきた。10年のときを経て、女子ツアーになくてはならないトーナメントに成長している。

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桜並木の下を歩くギャラリー

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10回大会記念フォトスポット


スタート当初から地域への恩返しがテーマ
20年を経て、地域に根ざしたイベントに

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新潟県内で開催される唯一のプロゴルフツアー「ヨネックスレディスゴルフトーナメント」が、今年で20周年を迎えた。ヨネックス創業の地である新潟県長岡市で「地域への恩返し」を合言葉にスタートした同大会。地域の人たちに愛されるゴルフトーナメントは、どのように育まれてきたのだろうか。

20回大会優勝者の大山志保選手

20回大会優勝者の大山志保選手

ヨネックスレディスが現在の形でスタートしたのは1999年のこと。他社主催の別のトーナメントの開催が難しくなり、ピンチヒッターとしてヨネックスに白羽の矢が立ったことがきっかけだった。その3年前、自社経営のヨネックスカントリークラブをオープンさせていたことも大きな要因となった。

ヨネックスCCのある日本海沿いの地域は、海水浴シーズンには多くの観光客が訪れる。そこでヨネックスは、創業の地への恩返しの意味を込め、海水浴シーズン以外の時期にお祭り騒ぎできるイベントになればと、開催を決定したというわけだ。

副賞として長岡市長からコシヒカリ6俵が贈られた

副賞として長岡市長からコシヒカリ6俵が贈られた

当初から地元の商工会が積極的に協力し、ギャラリープラザには日本海の海鮮食材などを扱うブースが多数出店。地元の長岡市は、2016年から共催として名を連らね、優勝賞品として長岡産コシヒカリを提供するなど、地域色を強く押し出してきた。多くの地元ギャラリーが来場し、ボランティアスタッフも毎年600人前後の応募がある。すっかり地域に定着したイベントとなっている。

近年はジュニア向けの企画が多数用意され、なかでも体験ラウンドは注目の的。トーナメント最終日、最終組のスタート後に行われ、キャディやキャリングボード、ホールロケーションなど、プロと同等の演出で行われる。ジュニアゴルファーにとって忘れられない体験となり、将来のゴルファー育成にも大きく役立つ企画となっている。

今年は大会を記念して、長岡市中心部で事前トークショーを実施した。さらに来場者約1万人に20回大会オリジナルキャップがプレゼントされた。地域の人を最優先に考えるヨネックスレディスは、ますます地域の人たちに愛されるスポーツイベントへと進化していくだろう。

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20回大会記念キャップは3日間で約1万個配られた

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日本海産の海鮮焼き店