ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンが
“ジュニアに優しいトーナメント”のワケ

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンは、女子ツアー唯一の東北地方で開催されるトーナメントだ。東北の人たちに愛され、大事にされている大会だが、この大会は古くから“ジュニアに優しいトーナメント”としても認知されている。チャリティ活動やジュニア育成活動など、これまで行われてきたさまざまなジュニア向けの活動を紹介しよう。

プロによるこども病院慰問は恒例行事

三浦桃香選手(左)と横峯さくら選手(右)

三浦桃香選手(左)と横峯さくら選手(右)

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンは、1973年、ミヤギテレビの開局3周年を記念して開催された「松島国際女子オープン」が前身。1976年からミヤギテレビ杯女子オープンゴルフトーナメント、1998年から現在の大会名となった。宮城県仙台市周辺の数カ所のゴルフ場で行われてきたが、2003年からは利府ゴルフ倶楽部で開催されている。今年で46回大会を迎えた、歴史あるトーナメントだ。

2003年、当時東北高校3年生だった宮里藍さんがアマチュア優勝し、それを機にプロ入りをした大会としても知られている。

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンは、2000年から、東北初の小児医療総合病院である「宮城県立こども病院」に、救急車や院内看板を寄贈するなどの支援を行っている。

また、毎年の大会週には、出場選手数名がこども病院を慰問し、入院しているこどもたちと触れ合う活動も行なっている。

今年も9月19日にアンソンジュ選手、松田鈴英選手、永井花奈選手、横峯さくら選手、三浦桃香選手、三ヶ島かな選手が慰問。病棟を回りながらプレゼントを渡したり、記念写真を撮影したりするなどした。

参加した三浦選手は、「初めてこういう慰問活動に参加させていただき、とても良い経験になりました。病気でも頑張っているこどもたちに、『頑張ってね』と言われてすごく心に響いたし、私ももっと頑張らないといけないなと思いました」とコメント。

慰問する選手にも刺激を与えているこの活動は、女子プロによる社会貢献活動としてすっかり定着している。

さまざまなジュニア活動が目白押し

キッズと共に入場する大江香織選手

キッズと共に入場する大江香織選手

これ以外にも、大会開催に関連してさまざまなジュニア育成のための活動が行われている。

大会2日目には「キッズスタートアナウンス」が行われた。これは地元の青山小学校放送委員会の生徒6名が、スタート時に選手紹介のアナウスをするもの。生徒たちは緊張した面持ちで丁寧にアナウンスしていた。

地元のこどもたち手作りの大会ティーマークは各ホール、合計36種類設置された。また、選手とこどもたちが手をつないで入場する「キッズエスコート」も実施。今年は定員を大幅に上回る30名の応募者が集まり、大会が東北のジュニアたちにいかに浸透しているかがうかがえた。

さらに、ジュニアゴルファー向けの「レッスン会」「クラブ試打会」も行われた。レッスン会は他の多くのトーナメントでも行われているが、ジュニア対象の試打会は珍しいだろう。

大会最終日には、全日本ゴルフ練習場連盟(JGRA)による「JGRAジュニアゴルファー検定会」も実施された。ルールやマナーを学ぶために、実技とペーパーテストが行われた。

大会に先立つ8月2日には、本大会開催記念として「全日本小学生ゴルフトーナメント東北予選大会」が開催された。これにより、全国大会に出場する男女10名の東北地区代表選手が選出されている。

プロトーナメントで、ジュニア育成活動に力を入れる大会は少なくないが、これほどまでにジュニア向けの企画を揃えた大会は、まさに“ジュニアに優しいトーナメント”と言える。

今年の大会で優勝した大江香織選手は、山形県出身。日大山形中学時代にテレビで見た、宮里藍さんの高校生アマチュア優勝をきっかけに、本気でゴルフに取り組み始めたという。

優勝コメントでは「ジュニアの時からいちばん身近だったプロのトーナメント。プロのデビューもこの大会でした」と語った。

長くジュニア育成活動に力を入れてきた主催者側にとっても、これまでの取り組みが実を結んだ瞬間となったのではないか。

ジュニア育成はすぐに結果が出る活動ではない。しかし、長く継続することによって、必ず大きな果実となる。この大会は、その意味を知り、実践し続けている好例なのだ。

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練習場連盟による
ジュニアゴルファー検定会も行われた

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スタートアナウンスするキッズと
こどもたち手作りのティーマーク