ほけんの窓口レディース
ギャラリーを楽しませる数々の企画で長く愛される
トーナメントを目指す
ギャラリー数が多いことでも知られる「ほけんの窓口レディース」。昨年からGTPA正会員となったRKB毎日放送が主催する同大会のこれまでの歩みと取り組みについて紹介しよう。
福岡から強い女子プロを育てたい
ほけんの窓口レディースは、2000年から09年までは化粧品の通信販売などを手がけるヴァーナルが、そして10年から12年までは醸造メーカーのフンドーキン醤油が特別協賛し、それぞれ「ヴァーナルレディース」「フンドーキンレディース」と称して開催されてきた。13年からほけんの窓口グループが特別協賛となり、現在に至っている。
開催コースは11年までは福岡センチュリーゴルフクラブ、12年以降は福岡カンツリー倶楽部和白コースとなっている。
主催は、福岡に本社を置くRKB毎日放送。放送局の強みを生かし、テレビ・ラジオで大会告知を多数流すことができ、毎年多くのギャラリーを集める大会となっている。
多くのギャラリーが集まり、トーナメント自体の人気が高まるに伴い、賞金総額も年々アップしてきた。13年からは1億2000万円(優勝賞金2160万円)に増額されている。3日間競技としては破格の賞金額となり、出場選手にとっても魅力的なトーナメントとなっている。
もともと「九州・福岡から女子プロゴルフ界を応援し、21世紀を担う女子ゴルファーを育成したい」をテーマにスタートしたトーナメント。賞金額をアップさせることは、選手の高いモチベーションにもつながり、同時に話題性を高めて多くのファンを集めることにもつながっている。
また、RKB毎日放送が共催するステップ・アップ・ツアー「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」の優勝者に、ほけんの窓口レディースの出場権を与えるようにもしており、今年はプロテスト合格を目指している原英莉花選手がその権利を勝ち取った。若手選手のレベルアップを応援していることがわかる。世界で活躍できる女子プロゴルファーを育てたいという、主催者の強い思いがよく伝わってくる。
優勝争い以外の楽しみも充実
ほけんの窓口レディースの過去5年の入場者数を見てみると、いずれも1万5000人を大きく超え、2万人にも迫る勢いを示している。
その要因としては、先に説明したテレビ・ラジオでの多くの告知に加え、来場者を楽しませる数々のイベントが寄与していると思われる。
「観るだけでなく、“参加できる”ゴルフトーナメント」を謳っているこの大会では、他のトーナメントでも見かけるチャリティ抽選会や3パットチャレンジなどはもちろんのこと、今年から新規で行ったイベントが興味深い。入場券の半券を持っている人なら誰でも参加できる、105名の出場プロのサインボール抽選会だ。入場するだけで参加できるイベントとして好評を博した。
また、ギャラリーの投票によって決まる「ベストスマイル賞」、「ベストドレッサー賞」も、他トーナメントではあまり見られない取り組み。優勝争いとは別に、ギャラリーと選手が一緒に盛り上がれる企画として定着している。ちなみに今年は、いずれもイボミ選手が受賞した。
小・中学生を対象とした「ワク♪ワク♪ジュニアゴルフ体験」も面白い企画だ。単にゴルフレッスンをするだけでなく、クラブハウスや放送センターの見学、女子プロとの記念撮影なども組み合わされ、ゴルフトーナメント全体を体験できるように工夫されている。ギャラリーを誘導する案内看板にも工夫を凝らしている。プロの選手が指をさして、吹き出しで話しかけている様に案内していて親しみを感じる。
開催コースが都心から近いという地理的条件も人気の要因の一つだろう。駐車場は用意されていないが、市内2箇所から無料バスも随時運行しており、ギャラリープラザでアルコールを飲めることにもつながっている。
ギャラリーが心から楽しめるほけんの窓口レディースも、来年は20周年を迎える。この先も多くの人に愛され、地元地域との関係をより深めながら25年、30年と回を重ねていきたいと主催者は言う。同時に、このトーナメントを通じて、ゴルフの底辺拡大や世界に羽ばたく強い選手を育成していきたいとの思いを強く押し出している。
新企画の出場プロサインボール抽選会
ジュニアゴルフ体験はイボミ選手との記念撮影も行われた