2016年男女トーナメントを振り返る

112年ぶりに五輪の正式種目となったことでゴルフ競技への注目が高まった2016年。
いよいよ国内男女ツアーも大詰めの時を迎える。そこで今季のこれまでのツアーの状況を主に視聴率、ギャラリー数から振り返ってみる。
(男子:HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP終了時 女子:TOTOジャパンクラシック終了時)

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男子ツアーは海外2試合を含む22試合が終了し、優勝者数は17名、複数回優勝者は3名となっている。プレーオフでの決着は、昨季は2回だったが今季はすでに6回と観客を魅了する熱戦が展開された。なかでも「HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF」では、それぞれ今季2勝目をかけた池田勇太選手と宋永漢選手のプレーオフは翌日の月曜日に持ち越す2日がかりの9ホール決着となった。これは1999年のJGTO発足以来初めてのことで、大きな話題となった。

一方の女子ツアーは熊本地震の影響で中止となった「KKT杯バンテリンレディスオープン」以外、34試合を終了した。優勝者数は23名、複数回優勝者は8名となっている。実力伯仲の女子ツアーではプレーオフ決着となることも少なくないが、昨季8回に比べ、今季はすでに9回を数え、そのうち3試合では3名による決戦が繰り広げられた。また、福嶋浩子選手の史上4番目の最年長初優勝者記録となる38歳245日での優勝や、李知姫選手の外国人選手初となる生涯獲得賞金10億円達成、アマチュア畑岡奈紗選手の史上最年少メジャー優勝など、様々な記録が誕生した。

視聴率に見る傾向は

昨今では地上波だけではなく、CS、BS、WEBなどでの中継も行われるようになり視聴率が出ないケースもあるが、数字が出ている中での傾向で見ると、国内男子ツアーでは日曜日の視聴率平均が関東、中部、関西でいずれも前年よりも向上している。日曜日の3地区を合わせた合計の平均は昨年の4.9%から5.0%で、特に関西地区での視聴が上向いている傾向が見られている。日曜日に限ってみると3地区での視聴がいずれも前年を上回った試合が7試合あり、8%以上を記録している試合は4試合で、現時点での最高視聴率は「日本オープン(関東)」の9.4%。日曜3地区での平均では「ANAオープン」の8.1%が最高で、全国的に視聴されていたといえそうだ。

女子ツアーでも同様に関西地区で視聴に上向き傾向が見られるが、全体としては前年からみるとやや低調。日曜日の3地区を合わせた合計の平均は昨年の5.6%から5.4%となっている。とはいえ、日曜日に8%以上をマークしている試合は4試合あり、最高視聴率は「日本女子オープン(中部)」の9.6%。関東でも9.4%を記録しており、3地区平均でも9.1%と今季最高の数字となっている。他にも「富士通レディース(中部)」では9.5%の視聴率があり3地区平均でも8.3%と全国的に注目された様子がうかがえる。

ギャラリー数

国内男子ツアーでは昨年の同時期終了時点で比較すると、今季20試合で合計29万3,137人で、昨年より1万7,872人増で推移している。増員に大きく貢献したのが「日本オープン」で、平日の初日から1万人を超えるギャラリーが来場し、前年比で2万3,589人の増加を記録した。これは事前から松山英樹選手、石川遼選手、アダム スコット選手という実力派人気選手の同組対決が話題となったことや、松山選手の圧巻のプレーぶりで優勝をさらう展開を見せてくれたことが多くのゴルファーの耳目を集めたものと考えられる。

女子ツアーでは34試合で合計49万3,019人。昨季の同時期より2万5,060人の減少がみられた。減少要因としては開催自体が中止になった試合や最終日が中止になった試合があったこと、傾向として開催コースが変わった試合が比較的多いことから、地理的な影響も少なからずあったように考えられそうだ。

日本オープンを沸かせた松山選手は、主戦場としている米ツアーで早々、アジア勢初となるWGCシリーズ制覇という快挙を成し遂げ、日本中に嬉しいニュースを届けてくれた。そして再び「三井住友VISA太平洋マスターズ」に戻ってきた。

賞金王、賞金女王争いも目が離せない様相となっている終盤戦。一層の盛り上がりが期待される。

男子ツアーギャラリー総数

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女子ツアーギャラリー総数

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