NEC軽井沢72ゴルフトーナメント

若手選手育成にも力を入れる
夏の避暑地に根付いたトーナメント

国内有数のリゾート地・軽井沢で開催される唯一の女子プロトーナメント「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」。夏の軽井沢を彩る一大イベントとして歴史を刻んできた同大会の、これまでの歩みと、今年の大会での取り組みについて紹介しよう。

軽井沢のリゾート客も注目の大会

各賞を受賞した渋野選手、穴井選手、安田祐香選手(ベストアマ)

各賞を受賞した渋野選手、穴井選手、安田祐香選手(ベストアマ)

NEC軽井沢72ゴルフトーナメントがスタートしたのは1992年のこと。1987年に「軽井沢72東急女子オープン」として、東急グループの主催で開催され92年からはNECグループが主催となり、現行トーナメントに衣替え。今年で28回目を迎え、夏の軽井沢のイベントとして定着している。

当初の開催コースは、軽井沢72ゴルフ・東コースだったが、98年からは同・北コースに変更。リゾートコースながら柔らかい洋芝、深いラフ、高速グリーンが特徴で、ショットの精度やアプローチの多彩さなど、さまざまな技術が求められるタフなコースだ。それだけにフロックでは勝てない大会で、毎年実力者たちが高いレベルで優勝争いを演じてきた。4度の優勝を誇る福嶋晃子をはじめ、近年の優勝者にアンソンジュ、吉田弓美子、成田美寿々、イボミ、テレサ・ルー、笠りつ子、比嘉真美子らが名を連ねることからもそれをうかがい知ることができるだろう。

NECグループが主催となった第1回大会の賞金総額は6000万円(優勝賞金1080万円)。女子ゴルフ、そして本大会の人気の高まりとともに賞金額も徐々に増額され、現在は賞金総額8000万円(優勝賞金1440万円)だ。

開催時期は第1回大会から毎年8月中旬で、今も変わっていない。この時期はいわゆるお盆休みの時期で、避暑地・軽井沢が一年で最も賑わう時期。全国から多くのリゾート客が集まり、その休暇中の予定の一つとして本大会観戦を組み入れている人も多い。

特に今年は、全英女子オープンを制したばかりの渋野日向子選手が出場するとあって、過去最多のギャラリーが押し寄せた。これにより、改めて夏の軽井沢で行われるトーナメントの注目度が高まったに違いない。

NECの最先端技術を一足先に体験

さて今年の大会は、穴井詩選手がイミニョン選手とのプレーオフを制して優勝を飾った。今年も実力者同士の優勝争いという展開になったことで、女子ゴルフのレベルの高さ、層の厚さを実感したことだろう。

一方、この大会では、優勝争いとは別にもう一つ注目される賞がある。

若手選手の育成を目標とした「ルーキー・オブ・ザ・NEC軽井沢72賞」だ。これは、開催年度を含む直近3年間に日本女子プロゴルフ協会に入会した選手や直近2年間の単年登録している新人選手などを対象に、本大会で最上位となった選手に贈られる賞だ。

いわば“夏の新人賞”とも言える賞で、過去には、ポーラ・クリーマー、原江里菜、アンソンジュ、成田美寿々、永井花奈、松田鈴英らが受賞している。今年の大会では、3位タイでホールアウトした渋野選手が受賞し、これも大会の盛り上がりに一役買った形となった。

笑顔パワーゲームに挑戦するギャラリー

笑顔パワーゲームに挑戦するギャラリー

今年の大会でギャラリーを楽しませたのは試合だけではなかった。主催するNECの顔認証技術を用いた「笑顔パワーゲーム」も、訪れた多くのギャラリーの興味をそそっていた。これは、測定器の前に立った人の笑顔を認識して0〜100点に数値化し、その日のランキングを表示するというもの。ギャラリーはもちろんのこと、ギャラリープラザに設置された測定器では選手も自身の笑顔を測定。その数値結果は周囲の人たちの笑顔も誘い、コミュニケーションツールとしても役立っていたようだ。

ちなみにこの顔認証技術は、来年に迫った東京2020オリンピック・パラリンピックで、大会関係者約30万人の会場入場時の本人確認システムとして活用される。今大会は、世界No.1の認証精度を有するNECの最先端技術を一足先に体験する機会となったわけだ。

古くから避暑地として多くの人々に愛されてきた軽井沢。ゴルフに対して、目の肥えたファンも多い。本大会は、その軽井沢の地にしっかりと根付いたゴルフトーナメントとして、これからも若手を育成しながら、多くのゴルフファンを魅了していくに違いない。

最終日の最終組には大勢のギャラリーがついて回った

最終日の最終組には大勢のギャラリーがついて回った

「第28回NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」は大会記録の更新づくめで記憶にも記録にも残る大会となりました。

台風10号の接近や浅間山噴火といった自然災害のリスクを想定した準備に加え、全英で優勝し日本中が注目する渋野日向子プロの凱旋2戦目の出場大会となり、例年以上に選手・ギャラリーの安全面を中心とした対策を強化するなど、非常に慌ただしい準備状況となりました。

大会はプロアマを含め、台風や浅間山噴火の大きな影響を受けることなく無事全日程を終了することができました。これは、過去の荒天対応実績から得たノウハウをもとにあらゆる緊急時の対応マニュアルを更新し続け、それらをスタッフ全員が共有していた安心感の賜物だと自負しております。

具体的な対策としましては、警備やスタッフ、トイレ、バスの増員、増設、食材の確保、プレスルームの拡大、警察との連携による警備配置の見直しなどを行い、心休まる暇なく対応におわれました。

今回は何といっても「シブコフィーバー」。黄金世代の台頭も加わり、大会記録を更新する入場者数は21,844名(前年比147%)、視聴率は12.3%(日:関東 昨年4.6%)と本大会の最多入場者数21,428名(2009)と最高視聴率10.3%(2005)、どちらも宮里藍プロが出場した大会記録を上回る結果となりました。

朝は5時30分頃からすでに駐車場へ向かう車で渋滞し、あやうく時間に間に合わない選手がでてしまうのではないかと心配されるほどで、ギャラリー駐車場は8:30で満車となりました。

ギャラリーバスもお盆の軽井沢という時期も重なり、乗車するのに最大1時間待ちという状況も生じギャラリーの方々にはご負担をお掛けしましたが、土曜日は1日の入場者数最多の1万人に迫るギャラリーにご来場いただき大盛況となりました。

選手にとっては一打一打に湧く大勢のギャラリーの歓声は心地よく、軽井沢の特別な雰囲気の中、海外で試合をしているようだと感想を述べている選手もいたほど、にぎやかで華やかな大会となりました。

来年は世界的なスポーツ大会の開催年です。さらに盛り上がるであろう大会への安全、安心対策に精進したいと思っています。

NEC軽井沢72ゴルフトーナメント大会事務局