GTPAルーキー・オブ・ザ・イヤー
2018 GTPAルーキー・オブ・ザ・イヤー
栄誉を手にする若手実力者は誰だ!
日本ゴルフトーナメント振興協会が、トーナメントを盛り上げた若手選手を表彰する『GTPAルーキー・オブ・ザ・イヤー』。今年も選考の季節がやってきた。この表彰は、「ゴルフトーナメント界の活性化のためには若手選手の育成が重要」との考えから、1998 年にスタートした活動だ。毎年、活躍著しく、将来性のあるフレッシュな選手たちにその栄誉が贈られてきた。2017年は、男子ツアーから任成宰選手、女子ツアーから川岸史果選手、森田遥選手、畑岡奈紗選手、永井花奈選手が表彰された。2018シーズンもベテラン・中堅の実力者たちに混じり、ルーキーや若手の有望選手たちの活躍も目立つようになっている。今シーズンの同賞候補に名前が挙がっている選手たちの活躍ぶりを紹介するとともに、同賞の行方を占ってみよう。
※記録は10月28日現在のものです
星野陸也選手
小祝さくら選手
松田鈴英選手
男子ツアーでは星野陸也選手が最有力候補
2018年の男子ツアーで、GTPAルーキー・オブ・ザ・イヤーの最有力候補となっているのは、2年連続ノミネートとなる星野陸也選手だ。今シーズン、星野選手はフジサンケイクラシックで念願のツアー初勝利を飾ったほか、日本プロゴルフ選手権6位タイ、日本ゴルフツアー選手権5位タイ、アジアパシフィックダイヤモンドカップ4位タイなど、コンスタントに上位に名を連ねる実力派プロに成長。賞金ランキングも8位とし、若手のみならず、ツアー全体を牽引する立場となっている。
186センチ・75キロと、昨年よりも一回り体も大きくなり、この恵まれた体格から繰り出すドライバーショットは300ヤード超えもしばしば。まだ22歳ながらそのダイナミックなゴルフは、石川遼選手、松山英樹選手に続くスタープレーヤーとなる要素を十分に秘めている。
黄金世代が安定した活躍
新垣比菜選手
勝みなみ選手
大里桃子選手
松原大輔選手
女子ツアーでは、話題の“黄金世代”から数多くの選手の名前が挙がっている。
黄金世代とは1998-99年生まれ、すなわち今年度に20歳を迎える選手たちを指す。人材豊富で、毎週のように黄金世代の中の誰かがトーナメント上位をうかがい、今シーズンにプロ初優勝を飾った選手も出てきている。
さっそくその黄金世代のGTPAルーキー・オブ・ザ・イヤー候補の顔ぶれを見てみよう。まずは、小祝さくら選手。同世代トップとなる賞金ランキング7位につけている。まだツアー優勝こそないものの、出場34試合中トップ10フィニッシュは12回、うち2位を4回マークしている。今もっとも初優勝が待たれる存在と言えるだろう。
悪い状況でもスコアを作ることができることが持ち味で、安定感のあるプレーぶりが好成績につながっている。今後、プロとしての体力がつけば予選落ちの回数も減り、優勝につながるようなビッグスコアも期待できるようになるだろう。来年以降もトップランカーを代表する選手の一人となりそうだ。
松田鈴英選手も2018年に大躍進した選手の一人。他の選手たちと比べると、アマチュア時代に目立った成績は挙げられなかったものの、同世代が大挙して挑戦した2017年プロテストにトップ合格。ツアーに挑むも、残念ながらシード権をつかむことはできなかった。しかし、QTを経て今季の出場権を得ると、リランキングでも上位に食い込み、8月のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで3位に入るなど、32試合に出場して7回のトップ10入りという堂々の成績を収めている。賞金ランキングは14位とし、あとは初勝利をつかむだけだ。
4月のサイバーエージェントレディスで、黄金世代一番乗りとなるツアー初優勝を飾った新垣比菜選手。出場25試合で6回のトップ10入りを果たし、賞金ランキングは18位だ。年間を通して大きな波もなく、コンスタントに好成績をキープし続けている。
トッププロの宝庫・沖縄県出身。2011年、小学校6年でダイキンオーキッドレディスに出場して注目された。また、高校2年の時にはアマチュアとしてステップ・アップ・ツアー優勝、さらにLPGAツアー3週連続トップ10フィニッシュを果たすなど、その実力は高く評価されている。
2014年のKKT杯バンテリンレディスでアマチュア優勝を果たし、プロ入り前から黄金世代をリードしてきた賞金ランキング23位の勝みなみ選手も、注目される一人。こちらも今季出場33試合中トップ10フィニッシュ9回、2位が2回ある。勝選手がプロ未勝利としている間に、同世代の他の選手たちがどんどん頭角を現してきているというのが現状と言える。
総合力の高さはツアープロの中でもトップクラス。しかし、シーズン後半に入って予選落ちが続くなど、課題も見つかっている。プロとして1年を戦い抜く体の強さが備われば、さらに怖い存在に成長しそうだ。
黄金世代の中でもう一人、今シーズン初優勝を飾ったのが大里桃子選手だ。2017年のプロテストには失敗したが、QTで今季の出場権を得るなか、2度目のプロテストで合格。すると8月のCAT Ladiesで、後続の激しい追い上げを振り切り、見事なプロ初優勝を飾った。賞金ランキングは50位。多くのスター選手を輩出している熊本県から、また新しいスター誕生を予感させる。
終盤戦の成績次第では順位を上げてくる選手も
他にステップ・アップ・ツアーで2勝の実績をもつ37位の原英莉花選手、44位につける大出瑞月選手、61位の金澤志奈選手、62位の石川明日香選手らも候補に上がっている。
また男子ツアーでは、ダンロップ・スリクソン福島オープンで7位タイ、フジサンケイクラシックで8位タイなどの成績を挙げて現在賞金ランキング83位の松原大輔選手も候補として名前が挙がっている。
いずれにせよ、高いレベルで新人選手たちが活躍する、見応えのある2018シーズンとなっている。ツアー最終盤の活躍次第で、誰がこの栄誉あるタイトルを手にするのか、まだまだ混沌としている。結果を楽しみに待ちたい。
過去10年のルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞者
男子 |
女子 | |
---|---|---|
2017 |
任 成宰 |
川岸 史果・森田 遥・畑岡 奈紗・永井 花奈 |
2016 |
|
堀 琴音・松森 彩夏・ささき しょうこ |
2015 |
今平 周吾 |
藤田 光里 |
2014 |
|
渡邉 彩香・鈴木 愛 |
2013 |
松山 英樹・川村 昌弘 |
比嘉 真美子・堀 奈津佳 |
2012 |
藤本 佳則 |
成田 美寿々・斉藤 愛璃 |
2011 |
黄 重坤 |
|
2010 |
薗田 峻輔 |
藤本 麻子 |
2009 |
池田 勇太 |
森田 理香子 |
2008 |
石川 遼 |
三塚 優子・原 江里菜・服部 真夕 |
GTPAルーキー・オブ・ザ・イヤー選考基準
『男子はツアープロに転向してから、女子はプロテスト合格後またはプロテスト合格者以外ではじめにTP登録をした者でそれぞれ「レギュラーツアーに初参戦してから最長2シーズン以内(海外ツアーを含む)、但し初年度は全試合数の三分の一以内の出場であれば、その年は含まない」且つその年度の「来季」シード権獲得者の中から、人格面並びにマナー、エチケット、話題性、将来性を加味して選考する。』