2014年の国内男女ツアーを振り返る

男女ツアー競技日程も終了し、賞金王、賞金女王も決定した。


男子ツアー24試合、女子ツアー37試合が開催され、ひとつひとつのトーナメントごとに様々なドラマが誕生した。2014年はどのような特色が見られたのか振り返ってみたい。

1Tee写真



文字通り、最後の一戦までしのぎを削る賞金王争いに衆目集中

2013年に続き3月下旬のインドネシアPGAチャンピオンシップから幕を開けた男子プロゴルフツアーは松村道央選手の勝利から始まった。国内初戦となった東建ホームメイトカップでは前年の最終戦で11年目の初優勝を遂げ、感動的な1勝を収めたばかりの宮里優作選手が2勝目を年をまたぐ連勝で飾り、話題となった。続いて翌週のつるやオープンでは2012年に最年長賞金王として頂点を極め、年を重ねるごとに円熟味を増しているベテラン藤田寛之選手が大会3勝目となる勝利で実力を見せつけた。また5戦目となる、日本最古のオープン競技、80回記念大会となった関西オープンゴルフ選手権競技で、早くから賞金王獲得を公言していた中堅小田孔明選手が公約の一歩を踏み出した。早々と始動を見せたこの二人の選手が終盤戦につばぜり合いをすることになるとは誰も予想していなかった。




その後も日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ Shishido Hiillsでプロ9年目の初勝利をツアーNo.1選手の称号と共に手にした竹谷佳孝選手。いつ勝ってもおかしくはないと早くから実力を評価されていた岩田寛選手がフジサンケイクラシックでプロ10年目での初勝利を飾るなど、諦めない努力が開花するドラマがファンを魅了した。




また、海外へ飛び出している石川遼選手は長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップで優勝、松山英樹選手はホストプロとしても臨んだダンロップフェニックストーナメントで米ツアーの新星ジョーダン・スピース選手との攻防を制し優勝して共に存在感をアピール。特に松山選手は日本人4人目となる米ツアー優勝の報ももたらしてくれた。




そして注目の賞金王争いは4選手が可能性を残す最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップにもつれ込み、小田孔明選手が見事に有言実行を果たした。




201501men



次世代の力強い旋風が印象に残る一年

2014年の女子ツアーは何といっても将来性豊かな次世代が着実に育っている層の厚さを見せつけた一年との見方ができそうだ。特に前半戦でのアマチュア旋風には注目が集まった。そのアマチュアの躍進が偶然の賜物ではなく確かな現象として決定づけたのはKKT杯バンテリンレディスオープンで史上4人目となるアマチュア優勝を15歳の勝みなみ選手が達成した快挙だろう。それ以前にも開幕早々のヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップで1打差でプレーオフ進出を逃す3位タイと健闘した森田遥選手が、勝選手の快挙に刺激されるようにサイバーエージェントレディスゴルフトーナメントでも発奮。しかも最終日最終組で同じアマチュアの堀琴音選手と10代同組対決という初の展開まで生み出し注目を集めた。時にこの大会では永井花奈選手も含めてアマチュア3名がトップ10フィニッシュを飾っている。また、アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKIでは地元の日章学園卒の柏原明日架選手が4位タイに食い込んだほか、ほけんの窓口レディースでは初日、2日目をトップで快走しアマチュアの完全優勝かと話題をさらうなど、実力を秘めたアマチュア選手たちの台頭があった。




一方でプロも注目のルーキーたちがしっかりと仕事を見せている。渡邉彩香選手はアクサレディスで初勝利を挙げ、
賞金ランキング11位、鈴木愛選手は日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯を初勝利の舞台とし、賞金ランキング13位の活躍で、2人は文句なしのルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出された。他にも藤田光里選手、葭葉ルミ選手が初シードを決めている。また横峯さくら選手が終盤の大王製紙エリエールレディスオープンでミセスとなってからの初勝利を決め、史上2人目の生涯獲得賞金10億円突破を達成したほか、今季の米ツアー参戦資格も手中に収めるニュースをもたらした。




また賞金女王には通算3度目となるアン ソンジュ選手が輝き、2位にはテレサ・ルー選手、3位イボミ選手、4位申ジエ選手と外国人勢の活躍が目立った。




201501women