GTPAルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得するのは誰か?

(男子:HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP終了時 女子:TOTOジャパンクラシック終了時)

過去10年のルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞者

 

男子

女子

2015

今平 周吾

藤田 光里

2014

 

渡邉 彩香
鈴木 愛

2013

松山 英樹
川村 昌弘

比嘉 真美子
堀 奈津佳

2012

藤本 佳則

成田 美寿々
斉藤 愛璃

2011

黄 重坤

 

2010

薗田 峻輔

藤本 麻子

2009

池田 勇太

森田 理香子

2008

石川 遼

三塚 優子
原 江里菜
服部 真夕

2007

李 丞鎬

上田 桃子

2006

ドンファン

飯島 茜
諸見里 しのぶ

日本ゴルフトーナメント振興協会では、1998年より、ゴルフトーナメント界の活性化のためには若手選手の育成が重要であると考え、『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』として、選考基準に該当するプロの中から同賞にふさわしいプロを選出、表彰し、その功績を讃えると共に更なる活躍を促しています。2016年の男女レギュラーツアーも佳境を迎えており、今年も活躍著しい将来性あるフレッシュな選手たちの選考に入る時期にもなりました。昨年は今平周吾選手、藤田光里選手を選考し表彰しています。そこで、来季のシード権争いや賞金王、賞金女王の座をかけた勝負もし烈さを増す中で、プロゴルフ競技の世界へ飛び込み、ベテラン、中堅選手に交じって年間を戦ってきた新人選手らの動向にも注目してみたい。

若手の活躍が著しい女子ツアー

ささきしょうこ選手

ささきしょうこ選手


松森彩夏選手

松森彩夏選手

女子ツアーでは今年も有力な若手選手が多数現れています。まずは昨年のプロテストで合格し文字通り今季がルーキーイヤーながら、「大東建託・いい部屋ネットレディス」で初優勝を果たした、ささきしょうこ選手。今季は前半では予選落ち先行でしたが、「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」で5位タイと躍進を見せたあとの2戦目で初優勝を掴みとりました。ベスト10フィニッシュは優勝を含む2回ながら、爆発力があることを立証しているだけに終盤戦での更なる活躍を期待させます。

続いて「富士通レディース」で念願の初優勝を手にしたのは、昨季、実に18回という予選落ちを喫しながらも賞金ランキング40位で初シードを得た松森彩夏選手。昨季は好不調の波が激しく、予選落ちを喫する一方で実際に優勝争いの末の2位タイが2回など、上位での活躍も見せていました。今季の松森選手はこれまで予選落ちは3回、優勝を含むベスト10フィニッシュは6回と高いレベルで安定しており、賞金ランキングも14位へと上げています。初優勝を挙げたことでさらに好調を維持しているだけに楽しみな存在といえそうです。

堀琴音選手

堀琴音選手


永峰咲希選手

永峰咲希選手

また、いつ優勝してもおかしくはないと注目なのが、賞金ランキング7位につけている堀琴音選手。堀選手は昨季も選考候補に挙がるなど注目されていた選手で、初シード選手として臨んだ今季はこれまでベスト10フィニッシュが8回、そのうち6回が5位以内に入る活躍を見せています。「日本女子オープン」ではほぼ頂点が見えていたところからアマチュアの畑岡奈紗選手に逆転されて2位に終わるという残念な結果はあったものの、2週後の富士通レディースでは最終日最終組で回り3位となるなど、気持ちの強さを見せています。勝てそうで勝てないもどかしい状況にありますが、「TOTOジャパンクラシック」でも日本人選手の中で最上位の3位タイに入り、最後まで目が離せない選手の一人でしょう。

現時点で賞金ランキング19位につけている永峰咲希選手も優勝こそないものの活躍が目立っている一人です。予選落ちが6回ありますが、ベスト10フィニッシュは8回。しかも「ニチレイレディス」で予選落ちを喫した以降は予選落ちも無く、ベスト10フィニッシュ8回のうちの6回がニチレイレディス以降とあって、後半戦に入ってから調子を上げている様子が見受けられます。佳境を迎える終盤戦で、どのような活躍を見せてくれるのか期待が持てます。

森田遥選手

森田遥選手


柏原明日架選手

柏原明日架選手

QTランキング4位の資格でTPD単年登録者として今季から国内参戦した森田遥選手もすでに賞金ランキング24位につけており、さらにランキングを上げていくものと期待されます。森田選手は13年に日本女子アマのタイトルを獲り、14年にはアマチュアとして出場した「ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ」で3位タイ、「サイバーエージェントレディス」で2位となるなど、アマチュアながらプロトーナメントで活躍する力量を見せています。昨季は米下部ツアーのシメトラツアーに参戦していましたが、「シメトラクラシック」で勝ったものの、最終順位が11位と、レギュラーツアーに出場できる10位以内に届かなかったことで国内回帰。その今季はベスト10フィニッシュ6回、予選落ちは3回あるものの、たびたび上位を伺う安定感を見せており、噛み合えばいつ優勝に手が届いても不思議ではありません。

そして、やはりアマチュア時代から注目されておりプロデビュー年となった昨季にシードを確定させて今季に臨んでいる柏原明日架選手も初優勝の期待が持たれている選手。今季は開幕2戦目の「ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ」でイボミ選手、飯島茜選手を相手にしてのプレーオフに残りました。残念ながら2位タイとなるも、続く「Tポイントレディス」でも最終日に67ストロークの猛追を見せたものの1打及ばずの2位タイなど、2週連続して優勝に絡む躍進で早々の初優勝を予感させました。ただ中盤に入ってから予選落ちがありますが、体格に恵まれている大型プレーヤーだけにラストスパートで底力を見せて欲しい存在です。

岡山絵里選手

岡山絵里選手

「大東建託・いい部屋ネットレディス」で単独2位となった岡山絵里選手は優勝した、ささき選手とは同期生。最終日最終組をともにプレーするも目の前で初優勝をさらわれた格好に。その悔しさをばねに「CAT Ladies」でもプレーオフに加わるまであと1打と、2度も優勝に肉薄しています。現時点で賞金ランキングは36位。予選落ちが10回あるなどやや波が見られますが、予選を通過すると上位に食い込む実力もあり、気になる選手の一人です。

今後の若手の活躍に期待したい男子ツアー

大堀裕次郎選手

大堀裕次郎選手

一方、男子ツアーの若手では大堀裕次郎選手が一人気を吐いている状況。大堀選手は昨季、チャレンジツアーを中心にプレーし、賞金ランキング7位に入った資格で今季のレギュラーツアー出場の資格を掴みました。これまでのところではベスト10フィニッシュが5回あるものの、予選落ちも少なくなく好不調の波がありますが、現時点賞金ランキング36位と健闘しています。日本アマのタイトルを持ち、非凡な才能とポテンシャルは折り紙付きなだけに、ラストスパートに大きな期待が寄せられるとともに、他の若手プレーヤーの奮起も期待したいところです。

最終戦に向けてどの選手も最後の力を振り絞ってくるだけに、この号が出る頃にはまた違った様相を見せている可能性は大いにあります。果たして今季、生涯一度のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝く選手は誰になるのか、12月16日の表彰式が楽しみです。

GTPAルーキー・オブ・ザ・イヤー選考基準

『男子はツアープロに転向してから、女子はプロテスト合格後またはプロテスト合格者以外ではじめにTPD登録をした者でそれぞれ「レギュラーツアーに初参戦してから最長2シーズン以内(海外ツアーを含む)、但し初年度は全試合数の三分の一以内の出場であれば、その年は含まない」且つその年度の「来季」シード権獲得者の中から、人格面並びにマナー、エチケット、話題性、将来性を加味して選考する。』